万能の技巧派MFが浮沈のカギを握る スペイン復活のキーマンとなるのは

オルモはスペイン代表の浮沈のカギを握る存在となるはずだ photo/Getty Images

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異色経歴の持ち主がラ・ロハを導く

いよいよ開幕が目前に迫ったEURO2020だが、はたして今大会で“欧州最強”の称号を掴むのはどのチームか。現時点で注目されているのはフランス代表やポルトガル代表、ベルギー代表といった面々だろう。さらにはイングランド代表やドイツ代表も侮れない存在だ。どこが優勝してもおかしくない。今回のEUROは相当に面白い大会になりそうだ。

そんななかで、静かに復権を目指すチームがある。スペイン代表だ。2000年代後半から2010年代前半まで、“ティキタカ”と呼ばれるショートパス主体のポゼッションサッカーで世界の頂点に君臨した同代表。近年の彼らは国際舞台で栄冠を掴み取ることができていないものの、まだ地力があることは事実だ。今大会は主要コンペティションで初のレアル・マドリード所属選手“ゼロ”となったが、それでも活躍が楽しみな選手は少なくない。

そのうちの一人がMFダニ・オルモ(23)だ。バルセロナの下部組織からディナモ・ザグレブ(クロアチア)へと向かい、現在はドイツ・ブンデスリーガのRBライプツィヒでプレイしている同選手。スペイン人としては少し珍しい経歴を持っている同選手だが、その実力は折り紙つき。バルサ下部組織出身らしい足元の技術を武器にしたテクニカルなプレイを得意としながら、ライプツィヒで鍛えられたアタッカーとしての動きも魅力的だ。中盤にウイング、そしてCFでもプレイ可能な彼をルイス・エンリケ監督がうまく使えるかどうかは、スペイン代表の浮沈のカギを握ってくることとなるだろう。
「オルモは並外れた能力を持っているし、とても安全にボールを扱うことができる。相手が厳しいプレッシャーをかけてきても、ファウルを貰ってそれを回避する方法も知っているんだ。本当にチームに適応するのは早かった。素晴らしい才能の持ち主だし、私もそういう部分は見習いたいね。そして、彼は謙虚なのに野心も自身も身につけている。寡黙な男かと思えば、ときには『僕にプレイする時間をくれ』と直接言ってきたりするんだ。私は彼のそういう面が大好きだよ」(ブンデスリーガ公式サイトより)

これは、ライプツィヒでオルモを指導したユリアン・ナーゲルスマン監督の言葉。欧州屈指の若手指揮官と各方面から称賛されるナーゲルスマン監督も、オルモのマルチな才能には相当に助けられていたようだ。

そんなオルモこそが今回のEUROで復権を狙うスペイン代表の救世主となるか。さまざまなポジションでハイレベルなパフォーマンスを披露するラ・ロハのテクニシャン。そのプレイからは目が離せない。

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