“ジェラードの8番”を継承した男の苦悩 リヴァプールに馴染めぬMFの運命は

リヴァプールでの出場機会確保に苦しむケイタ photo/Getty Images

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タイムアップのときは近い

リヴァプールでの序列が低下する中盤戦士だが、彼はここから評価を浮上させることができるのか。その中盤戦士とは、ユルゲン・クロップ監督の下で出場機会の獲得に苦労しているMFナビ・ケイタのことである。

2018年夏にRBライプツィヒからリヴァプールに加入したケイタ。その移籍金は5300万ポンドにものぼったとされ、クラブが彼に相当な期待をかけていたことは金額からも推し量ることができる。豊富な運動量に加えて、巧みな足技を駆使してのドリブル突破など、多くの武器を備えた“万能MF”として当時の評価は高かった。それだけに、リヴァプールがこれだけの金額を投資したのも理解できるところではあった。

しかし、加入から3シーズンが経過した今、ケイタのチーム内における立場は非常に怪しいものとなっている。移籍初年度こそリーグ戦25試合に出場してまずまずのシーズンを送ったものの、そこからが続かなかった。チームがプレミアリーグで独走優勝を果たした昨季は18試合、そして今季はわずか10試合にしか出場することができず、現在のケイタは放出候補とまで噂される状況に追い込まれている。加入時にあのスティーブン・ジェラードの背番号「8」を受け継いだMFだが、現時点では難しい立場というほかない。
「ナビは非常に繊細な男で、パフォーマンスを向上させるには今の環境に完全に適応することが必要だと思うよ。周囲の人は積極的に話しかけるなどして、彼の精神的なコンディションを上げなければならないと思う。そして、ライプツィヒにいたときは、時々休息も与えていたかな。そういう意味で、プレミアというのは彼にとって過酷な環境だと思うね。並外れたボールコントロールとダイナミズム、そしてフィニッシュの能力は素晴らしいけど、ナビを活躍させたいならリヴァプールはもう少し彼に気をかけるべきなのかなと思うよ」(英『Daily Mirror』より)

そんななか、かつてライプツィヒで共にプレイしたDFヴィリ・オルバンはケイタについてこのように話す。どうやら彼には少々デリケートな部分があるようで、元同僚は彼を活躍させるためにはチーム全体でのバックアップが必要かもしれないとアドバイスを送っている。

しかし、ケイタもリヴァプールではすでに3年間を過ごしている。環境に馴染めないという点を、伸び悩んでいる言い訳にすることはできないだろう。ユルゲン・クロップ監督は来季も彼を戦力としてカウントしているようだが、このまま改善が見られないようであれば放出は免れないだろう。

はたして、ケイタが歩むリヴァプールでの旅路はいつまで続くこととなるか。ライプツィヒ時代に見せた輝きは素晴らしかったが、そろそろ結果を出さなければ近いうちにタイムアップを迎える可能性は高い。

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