[ぺこぱシュウペイ]鬼木監督が動く先に吉報あり 大吉を越える“鬼吉”とは!?

ぺこぱシュウペイのフロンターレで決定的ーー!! #16

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2017年から川崎の指揮をとる鬼木監督。“鬼吉”をこれからもバンバン出してください! photo/Getty Images

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 鬼木監督が動くと、勝利がもたらされる。もともとそう感じていましたが、第17節鹿島戦の采配をみて確信に変わりました。この勝利でJ最速100勝を達成したということで、おめでとうございます! 最後に悠が勝ち越しゴールを決めたときは、“鬼吉が出た”と思わず心のなかで叫びましたよ。まさに、吉報を呼ぶ鬼木采配でした。大吉に勝る結果を呼び込む采配で、もはや、鬼吉>大吉ですね。

 鹿島戦を振り返ると、87分にダミアン選手から知念選手への交代がありました。多くの方が「小林じゃないのか?」と思ったかもしれませんが、そこに序列はなく、悠が2番手のFWだというわけでは決してありません。まだまだ激しい攻防でスペースがないあの展開では、強い身体を持つ知念選手が先に必要だったんです。

 そして、三笘選手に代わって出場していた長谷川選手が左サイドからクロスを入れられるぞとなったら、最後の最後に裏へ抜け出してクロスに合わせるのがうまい悠を送り込みました。みなさん、ゴールシーンを思い出してください。長谷川選手のクロス→強い身体を持つ知念選手がゴール前で競り合う→こぼれ球を拾った悠がフィニッシュという流れでした。鬼木監督は自らの采配でJ最速100勝を掴み取ったんです。
 この試合に限らず、鬼木監督は相手チームの特徴や試合展開に応じて柔軟な判断をしているイメージがあります。旗手選手を左サイドバックに起用したのは驚きましたし、ときには家長選手や三笘選手を温存し、後半途中からピッチに送り込むもこともありますね。第13節G大阪戦では途中出場した三笘選手が追加点を奪っています。なんというか、選手起用の選択、交代のタイミングがすごい! そして、フロンターレにはこうした采配に応えられる選手が揃っているんです。

 遠野選手、橘田選手、塚川選手など、誰がピッチに立ってもフロンターレのサッカーができています。しかも、90分間に渡って質が落ちません。この部分に関しては鬼木監督も重視していて、運動量が低下してくるとしっかり走れる選手を投入し、とくに守備面で質の低下を招かないようにしています。ボクの印象として、以前は終了間際に失点して勝点を失うケースがみられましたが、ここ数年で明らかに改善されています。

 継続性のあるチーム作りをしているので、新しい選手にフロンターレのサッカーを落とし込む時間も長くはかかりません。どのタイミングで、誰をピッチに立たせるともっとも効果的か、鬼木監督はすべてを把握しています。だからこそ、“鬼吉”が出るのだと思います。

構成/飯塚 健司

※電子マガジンtheWORLD258号、6月15日配信の記事より転載

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