オランダに[3-5-2]は合ってない? [4-3-3]への回帰は必要か

すでにGS突破を決めているオランダ代表だが…… photo/Getty Images

主将からも漏れ出る不満の声

決勝トーナメントで結果を残すためにも、オランイェは戦い方を以前のように戻すべきなのだろうか。現在開催されているEURO2020にて、1988年以来の優勝を目指すオランダ代表。GKヤスパー・シレッセンやDFフィルジル・ファン・ダイクといった選手は不参加となったが、それでも彼らは欧州王者を狙えるだけのスカッドを揃えてきた。しかし、その一方で気になるのは戦術の部分だ。

現在、オランダ代表が採用している基本システムは[3-5-2]。ロナルド・クーマン前監督時代は[4-3-3]を基本としていた同代表だが、フランク・デ・ブール監督の下で大会直前に基本システムを変更して今回のEUROに臨んでいる。

だが、このシステムは本当にオランダ代表にとっての最適解なのだろうか。すでにグループステージ(GS)突破を決めているオランイェだが、不安は尽きない。17日に行われたオーストリア戦こそ見事な内容で勝利を手にしたものの、初戦のウクライナ戦では一時2点差を追いつかれるなど、彼らは拙さを垣間見せた。次第に仕上がってはきているが、より強力な相手と連続して戦う決勝トーナメントでこのシステムはどこまで通用するのか。発展途上のシステムで優勝を掴めるほど、EUROというのは甘い大会ではない。

「やっぱり、シンプルな[4-3-3]の方が僕はやりやすいかな。初戦をギリギリ勝った後には、チーム内でも議論が起こったよ。それは直面しなければならない問題だった。僕はオランダ伝統の[4-3-3]がいいね。今のトップ下よりも、攻撃的なフロント3の後ろから彼らをサポートするのが好きなんだ。クーマンの下でずっとやってきた戦術だし、僕はこのシステムでかなり良い動きを見せることができた。ネイションズリーグでは決勝に進んだし、フランスやドイツも破ったからね。できることなら、もう一度[4-3-3]でプレイしたいよ」(英『Daily Mirror』より)

チームの主将を務めるMFジョルジニオ・ワイナルドゥムも、[3-5-2]から[4-3-3]への回帰を臨んでいる様子。新たなチャンレンジとしては非常に興味深いものではあるが、それをなにもEURO本大会で実行する必要はない。ワイナルドゥムも、ひとまず今大会ではクーマン政権下で積み上げてきたものに頼った方がいいと考えているようだ。

GSでこそ勝利を掴むことができているものの、決勝トーナメントでオランダ代表の[3-5-2]がどこまで通用するかは未知数。はたして、デ・ブール監督は今大会はこれからも同システムを採用し続けるのだろうか。悩みどころだろうが、指揮官の選択には注目だ。

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