生え抜きの“ビッグマン”を信じるべし マンUに人気銘柄の守備職人は必要ない

まだ発展途上ではあるものの、完成すればスケールの大きな選手となりそうなマクトミネイ photo/Getty Images

守備的MFに大型投資は不要か

今夏の移籍市場にて、ウェストハムに所属するイングランド代表MFデクラン・ライスの獲得に乗り出すとされるマンチェスター・ユナイテッド。この若き守備職人をチームに迎えることができれば、彼らの中盤における強度は来季さらに高い次元へと到達することができるだろう。

ブルーノ・フェルナンデスやポール・ポグバといった優秀な攻撃的MFへボールを供給するためにも、中盤のフィルター役には少しでもレベルの高い選手を置きたいマンU。それだけに、同クラブがリーグトップクラスのボールハンターと名高いライスに目をつけるのは理解できるところだ。

しかし、その一方では「彼らにこの守備職人は本当に必要なのだろうか」といった声もある。今年3月までマンUのアカデミー責任者を務めていたOBのニッキー・バット氏は、すでにマンUの中盤には優秀なフィルター役となれる選手がいると主張。下部組織時代から自身が成長を見守ってきた身長191cmの大型MFスコット・マクトミネイがいれば、ライス獲得の必要はないと次のように語る。

「ライス獲得の噂がよく耳に入ってくるけれど、彼はスコット・マクトミネイより優れた選手なのかい? 答えはわからないが、私はユナイテッドの中盤は今でも十分な強度を持っていると思うよ。マクトミネイにポグバにブルーノ。基本的にはこの3人で十分だと思うよ。ライスも良い選手だと思うけど、マクトミネイがいるのに守備的な中盤に多額の投資を行うべきではないと思うな」(ブックメイカー『Ladbrokes』より)

多少アカデミー出身選手に対する贔屓目が入っている可能性はあるが、たしかにマクトミネイがいる状況でのライス獲得には少々疑問が残る。ましてや、今夏のマンUはほかにもドルトムントのFWジェイドン・サンチョやレアル・マドリードのDFラファエル・ヴァランといったビッグネームの獲得に動くとされる。プライオリティはそちらにあるはずで、ライスの獲得に資金を割いている場合でもないだろう。

ライスを獲得できれば、マンUにとって大幅な戦力アップとなるのは間違いない。しかし、その一方でこの守備職人は無理に確保へ向かうべき選手でもないと言えるか。大型補強の噂が立つマンUだが、優先して整備すべきポジションはほかにある。

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