「カンセロ・ロール」の輝きを再び 控えに回ったカンセロの逆転劇はあるか

監督からの信頼を取り戻せるか photo/Getty Images

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才能は確かなだけに活躍して欲しい

昨季はプレミアリーグ優勝に加え、CLでもファイナルまで進出し、充実したシーズンとなったマンチェスター・シティ。シーズン中盤にはエースであるケビン・デ・ブライネを欠くことになるも、偽9番の運用や偽サイドバックの派生形である「カンセロ・ロール」を導入し、21連勝を達成している。今夏の移籍市場での活発な動きを見せており、8月から始まる2021-22シーズンもどのような戦いを見せてくれるのか楽しみである。

しかし、少し不安があるとすれば前述したジョアン・カンセロの使い方か。2019年にマンCに加入したポルトガル代表DFだが、加入当初はプレイの軽さから控えに回ることが多かった。しかし昨季は自身の強みである攻撃性能を生かした戦い方を見出し、カイル・ウォーカーをも上回るパフォーマンスを見せていた。マンチェスター・ユナイテッドとの大事なダービーマッチでは先発で使われるなど、指揮官であるジョゼップ・グアルディオラからの信頼も厚くなっていた。

だが、シーズン終盤に入ると、デ・ブライネの復帰からカンセロが今まで使っていたスペースを使うことが出来なくなり、先発もカイル・ウォーカーに奪われることに。左サイドバックでもオレクサンドル・ジンチェンコが抜群の安定感を見せており、ベンチに回ることが多くなってしまった。

来季も現状を変えなければ、序列は変わることはない。では、どうすればよいのか。まずはプレイの精度を一つ一つ上げていくことだ。

これはサイドバックというポジションも影響しているが、最終ラインを任されているにも関わらず、パスやドリブル、守備時のタックルと確実性が低いプレイを選択している場合が多い。前述したウォーカー、ジンチェンコも試合中のプレイ精度は高く、彼らがミスをしている場面はあまり想像できない。

また、守備での軽さも改善が必要だ。マンCは攻撃的なサッカーを展開しており、相手を敵陣に押し込む場合が多い。そうなると、カウンターを受ける際は、広大なスペースをカバーしなくてはならず、一つの判断ミスが失点に繋がりかねない。その場合のカンセロの判断力はウォーカーやジンチェンコに劣るものがあるため、そこも改善点か。

来季は右サイドバックの控えスタートにはなるだろうが、諦めずウォーカーやジンチェンコからポジションを奪える選手に成長して欲しい。

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