[MIXゾーン]機能しなかったレイソルの“2トップ” 瀬川「バラバラというか、人任せ」

試合後、チームの現状について語った瀬川 photo/スクリーンショット

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太陽王の浮上はいつになる

23日に行われた明治安田生命J1リーグ第19節にて、柏レイソルはホーム・三協フロンテア柏スタジアムに浦和レッズを迎え入れた。5月の公式戦を未勝利のまま終え、6月に入ってからも勝利したのは天皇杯2回戦の栃木シティ戦のみという同クラブ。このあたりでどうにか悪い流れを断ち切ろうと、選手たちも気合が入っていたことだろう。

しかし、この試合でも太陽王にエンジンが掛かることはなかった。自分たちのペースで試合を進めることができたのは前半立ち上がりの最序盤戦のみと言っても過言ではなく、最終的に太陽王は0-2で敗戦を喫することとなってしまった。

その大きな原因となったのは、やはりこの試合で最前線に起用されたアンジェロッティとイッペイ・シノヅカの2トップだろう。柏はこの試合で何度か低い位置からのロングボールで状況の打開を図ったものの、この2トップにはなかなかボールが収まらず。こぼれ球を浦和の選手に回収されて、そこから押し込まれるシーンは試合中に何度も散見されることとなってしまった。
また、守備の面でも以前から見られていた課題を克服することはできず。試合のペースを掴みかけた立ち上がりこそ前線からのプレスは高い強度をキープできていたものの、時間の経過とともに柏の守備からは積極性と連動性が失われていった。その結果、前半途中から68分のFW細谷真大の投入までは前節サンフレッチェ広島戦と同様に押し込まれるシチュエーションが増加。特にアンジェロッティのプレイには躍動感がなく、ボールウォッチャーとなってしまう場面は多かった印象だ。

そして、この問題点については選手も以前から感じていた様子。試合後、このゲームへどのような意識を持って入ったかを問われた際にはMF瀬川祐輔も次のように語っている。

「3カ月くらいずっと外から見ていて、みんな迷いながらサッカーをしているなとは感じていました。このあいだの広島戦に関しては、前の選手が歩いていることが多かった印象です。あんなに押し込まれたにも関わらず、後ろの選手は70分過ぎまでゼロで抑えてくれていました。でも、セカンドボールが全然拾えていなくて、(チーム全体が)バラバラというか、人任せになっているなと。そこで、僕が入ったらとにかく他の選手よりも走ってセカンドボールを拾おうと意識して試合に入りました。当たり前のことを当たり前にやるというか、戦術うんぬんの前にサッカー選手として大事な部分を90分間出せればいいなというふうに思っていました」

しかし、そんな瀬川の意識もこの浦和戦では実らず。最終的には2トップのシステムを崩し、試合前に持っていたであろうプランを大きく変えて状況の打開を図ることとなってしまった。

アンジェロッティもイッペイ・シノヅカも最前線の中央で身体を張ることを売りにしている選手ではないだけに、不慣れな部分もあったのだろう。しかし、瀬川が感じていた“人任せ”になっているという問題は、1人ひとりの意識で改善できるはず。実際、後半途中から投入されたFW細谷真大が入ってから、柏の守備強度は幾分か改善された印象も残る。こうした現状を鑑みるに、2トップを組むなら呉屋大翔と細谷のコンビを試してみるのもアリではないだろうか。太陽王が一刻も早く見つけ出したい最適解。ネルシーニョ監督は次節の湘南ベルマーレ戦で、どのような手を打ってくるか。指揮官の手腕が試される。

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