やはり重要だったのはブスケッツ ラ・ロハは5得点大勝で決勝トーナメントへ滑り込み

ブスケッツの重要性を再確認する試合となった photo/Getty Images

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ようやく初勝利を掴んだ

EURO2020が開幕し、スペイン代表は2試合を消化して引き分けが2。勝ち点を考えても、グループステージ最終戦であるスロバキア戦は必勝が求められていた。決勝トーナメントに進出するためにも、プレッシャーの掛かる試合となったが、終わってみれば5-0の大勝に。アルバロ・モラタがPKを外すなどアクシデントに見舞われたが、何とかベスト16に滑り込むことに成功した。

なぜ、ここまでの大勝劇を演じることが出来たのか。一つはアンカーに復帰したセルヒオ・ブスケッツの影響が大きいと言える。

ここまでの2試合は新型コロナウイルスの影響からベンチ外となっていたブスケッツ。その試合はロドリがアンカーとしてピッチに立っていたが、攻撃がちぐはぐとなっており、白星を挙げることが出来なかった。

ブスケッツがアンカーに入ることにより、インサイドハーフであるペドリ、コケが高い位置を取ることに成功しており、前述した二人がより危険な位置で前を向くことが出来ていた。

もう一つ、ブスケッツの得意とする深い位置へのサイドチェンジの多用がスロバキア守備陣を苦しめていた。今までもコーナーフラッグ近辺の深い位置を使うことはあったが、それまでの過程が何本もパスを繋いで行われていた。それであれば、スロバキア守備陣は余裕をもって守備に備えられるが、ブスケッツのパスは正確で1本のサイドチェンジで深い位置を取ることが出来る。また、今回サイドに配置されたパブロ・サラビア、ジェラール・モレノはサイドからクロス、ドリブルと豊富な選択肢を持っており、そこからの展開で崩しを行えていた。前任者であるロドリは正確にパスを繋ぐことは出来るが、こういった相手の嫌がるポジションへの配球を得意としていない。

また、守備面でもブスケッツの読みを駆使したアプローチは利いており、中盤でボールを回収し、攻撃を継続させていた。

もちろん、他選手の躍動もあったこの試合だが、前任者であるロドリよりもブスケッツがフィットしており、5得点と大勝を生み出す第一人者であると言える。

それでも、センターフォワードであるアルバロ・モラタのゴール欠乏症は治っておらず、今後も別の角度から得点を奪う必要がありそうだ。

スペイン代表は日本時間29日にクロアチア代表とベスト8を賭けた一戦を行う予定だ。

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