ウルグアイ初勝利の立役者はこの2人 孤立気味だったカバーニと好連係を築いたのは

ボリビア代表戦でトップ下として起用されたアラスカエタ(10番)。神出鬼没なポジショニングが光った photo/Getty Images 

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攻守両面で役割を全う

コパ・アメリカ2021のグループステージ第4節が日本時間25日に行われ、グループAのウルグアイ代表がボリビア代表に2-0で勝利した。ウルグアイ代表は今大会3戦目にして初勝利を挙げている。

ウルグアイ代表のオスカル・タバレス監督は、前節のチリ代表戦と同じく[4-3-1-2]という布陣を採用。自陣への撤退守備を選んだ前節とは打って変わり、ルイス・スアレスとエディンソン・カバーニの2トップ、及びトップ下のジョルジアン・デ・アラスカエタの3人を起点とするハイプレスで、ボリビア代表を圧倒。相手が苦し紛れに出したパスを幾度となくカットし、波状攻撃を仕掛けた。

攻撃面で特に輝いていたのが、39分に右サイドから鋭いクロスを送り、相手DFハイロ・キンテロスのオウンゴールを誘ったアラスカエタ。カバーニが中盤に降りてボールを受けることによって生まれる前線のスペースや、相手最終ラインの背後を果敢に狙いチャンスメイク。敵陣ペナルティエリア手前のゾーンに留まらず、時折サイドに流れることで相手のマークを混乱に陥れることにも成功しており、51分すぎには左サイドから低弾道クロスを送り、これがカバーニの相手GK強襲のシュートに繋がっている。
また、アラスカエタはハイプレスの場面でも役割を全う。ボリビア代表の布陣は[4-1-4-1]で、キンテロスとアドリアン・フシノの2センターバックの間にアンカーのレオネル・フスティニアーノが降りるのがビルドアップ時の約束事だったが、アラスカエタがフスティニアーノを捕捉したことで、ボリビア代表の最終ラインの選手たちが中央にパスを出しづらい状況に。アラスカエタが相手のパスをサイドに誘導したことで、ウルグアイ代表としてはボールの奪いどころが明確になり、ボリビア代表のビルドアップは行き詰まった。総シュート数22本、枠内シュート7本というウルグアイ代表の猛攻のきっかけとなったのは、アラスカエタの抜け目ない守備と言っても差し支えないだろう。

アラスカエタと同じく[4-3-1-2]という布陣のトップ下で起用され、攻守両面で躍動したのが、73分に同選手との交代で投入された21歳のMFファクンド・トーレス。アラスカエタと同様に神出鬼没なポジショニングで相手守備陣を撹乱すると、78分すぎに自陣からのロングパスを受けて敵陣左サイドを突破し、鋭いクロスでカバーニのゴールをアシスト。得点シーン以外でもカバーニと近い距離感を保ち、パスワークに絡もうという意図が窺えたほか、守備面でもアラスカエタが担っていたフスティニアーノの監視という役割を引き継ぎ、自陣へのプレスバックも怠らず。無失点勝利に大きく貢献した。

チリ代表戦では前線でタメを作ろうとしているカバーニへの他選手のサポートが遅く、彼が孤立してしまう場面が何度か見受けられたものの、今節はトップ下で起用されたアラスカエタとトーレスが素早くカバーニをサポート。前線と3ボランチの間でボールを受けるリンクマンの役割を完遂した。この試合で両軍の選手中2位タイとなる3本のキーパスを叩き出し、守備も精力的にこなした両選手が、今後もウルグアイ代表の攻守を牽引しそうだ(数値は全て、データサイト『SofaScore』より)。

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