難航中の冨安の移籍交渉 日本の未来は来季どこでプレイするのか

今後の日本を支えることになる冨安 photo/Getty Images

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アタランタへ移籍するのが良さそうだ

7月から開催が予定されている東京オリンピック。日本代表はフランス、メキシコ、南アフリカと同組となっており、苦しい戦いが予想されるが、それでも国民の期待感は大きいのではないだろうか。先日行われたメンバー発表では久保建英を初めとする実力者が選出されており、守備陣に目を向けると吉田麻也と冨安健洋の日本を代表するセンターバックコンビが控えているのだ。フル代表でもこの2人がファーストチョイスとなるため、世界にどこまで通用するのか非常に楽しみである。

そんな冨安だが、今夏の移籍市場では人気銘柄となっており、セリエAのアタランタへの移籍がたびたび報じられている。アタランタといえば近年、急激に力を付けてきたチームであり、来季のCL出場権も確保している。もし、この移籍が成立すれば大きなステップアップとなる。

しかし、冨安が所属するボローニャとアタランタとでは移籍金の希望に差があり、まだ成立していないのが現状だ。そこで伊『Corriere dello Sport』はボローニャに対し、東京オリンピック終了後に交渉するのはどうかと提案している。この提案にはオリンピックで冨安の評価が上昇し、さらなる移籍金が見込めるオファーが来るぞという意図が込められている。確かに、この案に対してはボローニャからすれば莫大な移籍金が発生するため、良い考えではあるが、冨安の成長を考えると悪手になる可能性がある。

冨安は右サイドバック、センターバックをこなせる選手で、どちらのポジションも一定の評価を得ている。しかし、センターバックで起用された際は、批判の声も少なくなく、彼の適正は右サイドバック、もしくは3バックの右サイドだろう。特に彼の強みであるボールを扱う技術の高さや前線への飛び出すタイミングとあまり攻撃に参加しない4バックのセンターバックであれば、彼の良さを完全に引き出すことは難しい。

そうであれば3バックを採用しているアタランタへの移籍が理にかなっているが、今以上に移籍金が上がれば破談になる可能性は高い。もちろん、今後もボローニャでプレイするのもありだが、ELやCLといった欧州を舞台にした経験を積みたいのであれば、難しくなってしまう。

日本人が多額の移籍金でビッグクラブに買われることは嬉しいが、冨安に合ったクラブへの移籍になるように今後の動向を見守りたい。

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