レアルの絶対的存在だった男の巻き返しは 怪我で生じた“空白の1年”を取り戻せ

今季は怪我でフル回転とはいかなかったカルバハル photo/Getty Images

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離脱中に強力ライバル登場

アクシデントさえなければ、この男は2020-21シーズンもレアル・マドリードの絶対的存在だったことは間違いない。しかし、DFダニエル・カルバハル(29)を取り巻く環境は、この1年で大きく変わることとなってしまった。

その一番大きな要因となったのが、彼自身の怪我だ。今季は延べ5回もの負傷離脱を経験したカルバハル。そのうち実に4回は、復帰までに30日以上を要するものだった。長いリハビリを経てどうにか復帰するも、その直後に再負傷となっていたイメージは強い。実力は確かながら、カルバハルのコンディションはシーズンを通して万全な状態には戻らなかったのだ。

そんな悔しい2020-21シーズンを過ごしただけに、カルバハルは来季こそ巻き返しを図りたい。しかし、彼が離脱している間に、レアルの右SBには新たな選択肢が出てきてしまった。その選択肢とは、同選手が戦線を離脱している間、前線からコンバートされた同い年のルーカス・バスケス(29)だ。
少々地味な存在ではあるものの、類稀なる適応力でレアルの右サイドにおける穴を埋めたバスケス。献身的な動きで味方をサポートする彼に、白い巨人は大いに助けられたことだろう。攻撃面ではチーム2位となるクロス成功数(25本)を記録し、守備面では同3位となるタックル数(61回)をマーク(スタッツはデータサイト『SofaScore』より)。こうした数字を見ても、単なる“代役”以上の存在としてバスケスが奮闘していたことは明らかだろう。

そんなバスケスの右SBに関しては、カルロ・アンチェロッティ新監督も大いに評価しているとスペイン『MARCA』が伝えている。たとえ来季の開幕をカルバハルが万全の状態で迎えようとも、待っているのは激しい競争か。長年にわたって右SBの絶対的存在として君臨してきた男だが、2021-22シーズンは久々にスリルのある1年となるかもしれない。

怪我で生じた“空白の1年”によって、チームに強力なライバルが登場することとなったカルバハル。はたして、彼は無事に定位置を奪還することができるのか。評価再浮上のためには、バスケスの壁を越えなければならない。

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