“ルシオばり”の不屈のファイター? イングランド代表の堅守を支える万能CB

EURO2020で印象的なパフォーマンスを披露するマグワイア photo/Getty Images

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ドイツ代表OBも大絶賛

現在開催されているEURO2020にて、2012年大会以来となるベスト8進出を決めたイングランド代表。悲願の初優勝に向けた歩みは順調だ。ここまで4試合で4得点という攻撃力には心配な点もあるが、トーナメントで何よりも重視されるべきは“勝ち残っている”という結果だろう。

そのスリーライオンズのベスト8進出を支えたのは、紛れもなく守備陣の奮闘だ。ここまでの4試合で彼らが喫した失点はなんと“ゼロ”。盤石の守りを最大の武器として、イングランド代表は栄光へのステップを着実に進んでいる。

なかでも、日本時間6月29日の深夜に行われたラウンド16・ドイツ戦では、DFハリー・マグワイアの奮闘が目立った。今大会は怪我の影響でグループステージ第1節と第2節を欠場した同選手。コンディションの面で不安もあったが、この男はそんなことお構いなしの大活躍。データサイト『WhoScored.com』によると、この試合における彼は空中戦勝利数(6回:勝率100%)やクリア数(4回)で両軍トップの数値を記録している。同サイト選出のマン・オブ・ザ・マッチにも輝いており、その存在感は圧倒的だったといっていい。
「私はバイエルン・ミュンヘンの監督をしていた頃にルシオを指導したことがある。マグワイアは彼に非常によく似たDFだと思う。フラストレーションが溜まる場面でも、彼は自分ひとりの力でボールを奪い取ってしまうんだ。必要とあれば、自分の手で問題を解決してしまう。ルシオもそんな選手だったよ。さらに、ビルドアップが求められる場面では簡単にパスを通すこともできる。本当に私が好きなタイプの選手だ」

英『BBC』にて、この試合の解説を務めた元ドイツ代表FWユルゲン・クリンスマン氏も、マグワイアのプレイぶりにはこのような賛辞を送っている。ルシオといえば、かつて長きにわたってブラジル代表の最終ラインを支えた名手だが、クリンスマン氏はマグワイアにそんなかつての教え子の姿を重ねている。

不屈のファイターだった元セレソン戦士にも喩えられるほどの存在感を放つマグワイア。はたして、今大会におけるイングランド代表の堅い守備を支える男は、今後どこまでチームの無失点を継続させることができるか。スリーライオンズが初優勝を成し遂げるため、最も重要な存在となるのがこの男かもしれない。

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