ブスケッツ復活から絶好調のスペイン ロドリではダメだったのか

今後の成長に期待か photo/Getty Images

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プレミア王者に在籍しているロドリ

初戦で見せた低調な姿はなく、好調を維持しているスペイン代表。直近2試合で10得点と特に攻撃陣が機能しており、タイトルを狙える位置に付けている。そんなスペイン代表が強さを取り戻したのは、セルヒオ・ブスケッツの復活が大きい。本来は初戦から起用されるはずだったが、新型コロナウイルスの陽性反応が出てしまいベンチ外となっていた。その後、3戦目からアンカーで先発を務めている。

彼が入ってからは面白いように攻撃がスムーズになり得点を量産している。EUROも後半戦になり、連携面の向上も考えられるが、ブスケッツのパスワークが影響していると言える。更に彼のポジショニングが素晴らしく、周りの選手もやりやすそうだ。残りの試合でもブスケッツの起用が予想されており、どこまで進めるか楽しみである。

しかし、ブスケッツの復調でポジションを追われた選手がいる。ロドリだ。アトレティコ・マドリードからマンチェスター・シティへ移籍したロドリは前任者であるフェルナンジーニョからポジションを奪い、スタメンとして活躍している。昨季のリーグ戦の出場時間はエデルソン・モラレスとルベン・ディアスに次ぐ3番目の数字と記録しており、指揮官であるジョゼップ・グアルディオラからの信頼も厚い。

ブスケッツのコロナ陽性反応の報道時も「ロドリがいるから大丈夫」と言われており、彼の不在はそこまで影響しないと思われていた。しかし、ロドリが出た試合では攻撃が機能せず、前線の決定力不足もあったが、批判の声も少なからず聞こえている。

これは仕方ないとも考えられる。ロドリのマンCでの仕事は後方からのパスの出し手受け手、ボールロスト時の守備を主に任されている。パスに関してもブスケッツのような攻撃のスイッチを入れる縦パスは少なく、どちらかと言えばサイドチェンジのようなボールの流動性を高めるパスを出すことが多い。そもそも、プレミア王者にはケビン・デ・ブライネやイルカイ・ギュンドアンといったチャンスメイカーが在籍しており、攻撃は彼らに任せているのだ。そのため、プレイエリアもブスケッツと比べて狭く、そこまで攻撃に干渉しないのだ。

そのため、スペイン代表でも無難なプレイが多く、攻撃の活性化に繋がらなかったのだろう。もちろん、他選手の能力も関係するが、ブスケッツ不在時でもロドリにアンカーを任せられるように、攻撃面での習熟は今後の課題となるだろう。

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