相手のスタイルを封じるイタリアの守備 その連携力はクラブチーム並?

強いチームを作り出したロベルト・マンチーニ photo/Getty Images

スピナッツォーラの離脱は痛い

EURO2020では負け知らずのイタリア代表。前評判の勢いそのままにベスト8では強豪ベルギーを倒し、準決勝に駒を進めた。次の対戦相手はスペインに決まっており、こちらも非常に楽しみなカードとなっている。

そんなイタリア代表だが、今大会の結果からも分かる通り素晴らしい出来だ。特にチーム全体での約束事の統一が見られ、連携面ではクラブチーム並といってもいい。

特に連携のスムーズさを守備面で感じることが多い。先日のベルギー戦での守備はハイプレスと、自陣にブロックを敷くリトリートを使い分けていた。

ハイプレスに関しては、相手が自陣でボールを持った際に前線の選手とサイドバックであるレオナルド・スピナッツォーラが素早くプレッシャーを仕掛け、相手守備陣のトマ・ムニエにパスコースを探す時間を与えていなかった。こうすることによってムニエはバックパスか前線への確実性の低いロングボールを蹴ることになるため、高確率でボールを回収することが出来る。

自陣に引く守備も要注意人物であるケビン・デ・ブライネにはなるべく2名以上で対応しており、自由にさせていないシーンが目立った。失点の場面ではジェレミー・ドクに突破され、PKを献上してしまったが、その後はシャットアウトしており、アッズーリの守備は機能していたと言える。

このように守備での約束事を守ることで相手がやりたいサッカーを封じて勝利を掴んだイタリア。次節のスペインはポゼッションサッカーを信条としており、どこまで相手のやりたいサッカーをやらせずに済むかが、勝利のカギとなりそうだ。

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