EURO2016王者の“10番”が味わったこの5年間の転落劇 華麗なる復活劇はあるのか

近年はクラブを転々としているJ・マリオ photo/Getty Images

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ベンフィカ行きが噂されているが……

1年遅れの開催とはなってしまったものの、有観客の中で盛り上がりを見せているEUEO2020。今大会も多くのニュースターが誕生しており、このビッグコンペティションでの活躍を機に、ステップアップを果たす選手たちも少なくないだろう。ただ、代表でうまくいったからといって、クラブでも順調にキャリアを重ねていけるかはわからない。EURO2016でポルトガル代表の背番号「10」を託され、母国を初優勝へ導いた逸材が、この5年間は思わぬ苦戦を強いられている。

母国の名門スポルティングで育ち、ポルトガル代表の各年代で活躍してきたMFジョアン・マリオは、2014年10月に21歳ながらA代表デビュー。クラブでコンスタントに結果を残していたこともあり、翌2015年にはポルトガルの主力に定着した。そして、母国の将来を担うと期待されていたこともあり、EURO2016ではチームの10番に大抜擢。豊富な運動量やそのユーティリティ性で見事に期待に応え、全試合に出場してポルトガル優勝の立役者のひとりとなっていた。同僚のレナト・サンチェスらとともに、同大会で誕生したニュースターのひとりだ。

こういった活躍もあり、EURO2016の終了後には多くのビッグクラブがJ・マリオの争奪戦を繰り広げた。そんな中で、同選手が新天地に選んだのはインテルだ。しかし、新天地のイタリアでは加入1年目こそセリエA30試合に出場(3ゴール5アシスト)したが、翌シーズンの後半戦はウェストハム、2019-20シーズンはロコモティフ・モスクワ、昨季は古巣スポルティングへのレンタル移籍を強いられるなど、思っていたようなキャリアを描くことができず。インテルに対する不必要な発言なども相まって、クラブを転々とすることに。その結果、2019年10月を最後に代表活動からも遠ざかってしまっており、EURO2020のポルトガル代表メンバーには彼の名前はなかった。さらに、インテルとの契約は2022年まで残しているものの、経費削減の狙いもあってか、今夏の放出候補となっているようで、今後が不透明となっている。
脚光を浴びたEURO2016からわずか5年間で、悪夢ようなな転落劇。サッカーキャリアにおいて最も脂が乗っていると言っても過言ではない20代半ばから後半にかけて、苦しい時期を過ごしているのだ。市場価値の推移を見ても、インテル加入時は3500万ユーロ(約46億円)だったのだが、現在は1200万ユーロ(約16億円)まで下がってしまっている。

伊『calciomercato』によると、そんなJ・マリオには現在、ベンフィカなどが興味を示している模様だ。しかし、ベンフィカは古巣スポルティングのライバル。インテル加入の際の契約条項にライバルクラブへの移籍に関する制限が含まれているようで、ベンフィカ行きのハードルは少々高いかもしれない。ただ、J・マリオはまだ28歳。年齢を考えてもまだまだやれるはずで、昨季はスポルティングで復調の兆しを見せていた。しっかりと所属先を決め、来季以降の華麗なる復活劇に期待したい。

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