グループステージ突破へ暗雲 ガンバに足りない“攻撃のバリエーション”

チェンライ・U戦で最終ラインの背後を狙い続けた宇佐美だが、ゴールを挙げられず(写真は5月22日のFC東京戦)photo/Getty Images

サイドからのクロスしか攻め手なく……

AFCチャンピオンズリーグのグループステージ第4節が日本時間の5日に行われ、グループHのガンバ大阪がチェンライ・ユナイテッドと1-1で引き分けた。

ガンバは5分すぎに始まった相手のゴールキックからの速攻を止められず、MFフェリペ・アモリムに最終ラインの背後を突かれて失点。54分にMF矢島慎也が敵陣で相手のパスをカットし、左足でのシュートでオウンゴールを誘ったものの、試合全体を通じてチェンライが敷いた[5-4-1]の守備ブロックに苦戦。逆転ゴールを奪えずに試合を終えた。

この日のガンバの布陣は、チェンライとの最初の試合(前節)と同じく[3-4-2-1]。主な攻め手としてサイドからのクロスを選んでいたが、サイドに人が集まりすぎたことで相手ゴール前の人数が足りず、クロスが不発に終わるケースがしばしば。また、ワントップで先発したレアンドロ・ペレイラと、宇佐美貴史と矢島の2シャドーが最前線に張って相手最終ラインの背後を狙い続けたため、時間の経過とともに前線の3人と中盤が間延び。L・ペレイラが相手最終ラインと中盤の間でボールを受けてセンターバックとボランチを引きつける、これによって生まれたスペースにガンバの他の選手が侵入し、L・ペレイラからのワンタッチパスを受けるといった場面は、あまり見受けられなかった。

惜しかったのがL・ペレイラからのパスを受けたボランチの奥野耕平が、相手GKと1対1になった9分すぎの場面。ここではL・ペレイラが矢島からのパスをワンタッチではたき、最終ラインの背後へ走った奥野にパスを送っている。奥野はオフサイドの反則をとられてしまったが、攻め手としては悪くなかった。

L・ペレイラに代わりFWパトリックが投入された後半開始以降も、ガンバの攻め手はサイドからのクロス一辺倒に。敵陣ペナルティエリア手前のスペースを攻略する術を持っていなかったことが、今回の引き分けに繋がってしまった。

今年のACLは、各グループの首位チームと、東地区のグループFからJの2位チーム(全5チーム)のなかから成績上位3チームが決勝トーナメント進出というレギュレーション。現時点でグループGの2位につけている浦項スティーラーズが勝ち点10、グループJ2位の傑志が勝ち点9を積み上げているほか、ガンバを含めて勝ち点6の2位チームが3つあり、グループステージ2位通過をかけた戦いは熾烈を極めている。決勝トーナメント進出への道のりが険しくなったガンバだが、チェンライとの連戦で浮き彫りになった攻撃のバリエーション不足を改善できるか。




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