必殺クロスでデンマークをベスト4へ 瞬時の状況判断と守備陣の裏をかいたメーレの発想力

今大会で大きく活躍するメーレ photo/Getty Images

チームの2点目をアシストした

デンマーク代表がUEFA EURO2020でチェコ代表に勝利。2-1と勝利を決めたデンマークが優勝したEURO1992以来の6大会ぶりにベスト4へ進出した。

そんな準々決勝で輝いたのは、ヨアキム・メーレだった。1点を先制した42分、左サイドでボールを持ったメーレは積極的な仕掛けから右足のアウトサイドでクロスを供給。それに勢いよく合わせたカスパー・ドルベリがゴールを決めて2-0とする。後半に1点を返されるも、1点差を守り抜いたデンマークが勝利した。

ドルベリの勢いを消さない見事なクロスだった。左WBを務めるメーレは右利きのため、本来ならばドリブル時に一度切り返して右足でクロスを送るだろう。それでは走り込んでいた中央の選手たちは一度足を止める必要があり、彼らの勢いも止めてしまう可能性がある。また彼が右利きなこともあり、チェコは守備時に切り返すことも念頭において守っていたはずだ。

そんな守備陣に対してメーレが見せた発想力はアウトサイドでのキックだった。前を向いたまま左サイドから高精度のクロスを送りアシストを記録。中の勢いや相手の対応も考えた上でのクロスだったことだろう。すべてがピンポイントで合致したプレイは、そのままゴールネットを揺らすきっかけとなった。

この得点でベスト4へと進出したデンマーク。初戦から厳しい状況を強いられたデンマークだが、強い団結力と個々の創造性によってチームは大きく躍進した。次なる相手は今季いまだに無失点のイングランド代表。メーレの発想力によって、堅い守備陣を破ることはできるのだろうか。

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