今大会こそイングランドは頂点へ? 悲願の“EURO初制覇”へ準備は整った

今大会で悲願のEURO初制覇を狙うイングランド代表 photo/Getty Images

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「優勝するために必要なすべてを……」

いよいよ大会も大詰めとなってきたが、現在開催中のEURO2020で優勝を掴むのはどの国か。日本時間6日深夜に行われた準決勝では、PK戦にまでもつれ込む死闘の末にイタリア代表が2大会ぶりとなる決勝進出を決めた。スペイン代表に持ち味を消されながらも、強かさに勝ち上がってきたアッズーリに優勝の期待をかけている人も多いだろう。

しかし、初優勝を狙うイングランド代表のことも、やはり見逃すことはできないだろう。開幕からしばらくは得点力不足に悩まされた同代表だが、彼らはここまで無失点という堅守を武器にしぶとく生き残ってきた。EUROのようなビッグトーナメントにおいて、安定した守備は勝ち上がるために重要な要素。“大崩れしない”という強みは間違いなく大きい。

加えて、ここ数試合のイングランド代表は懸念点だった攻撃面にも光明が差し込んでいる。準々決勝のウクライナ代表戦ではエースFWハリー・ケインの2発を含む計4得点を記録。グループステージ3試合ではわずか2得点だったものの、ようやくエンジンが掛かってきた印象だ。ここにきてようやく攻守が噛み合い始めたとあって、期待は大きくなるばかり。準決勝のデンマーク代表、そして決勝のイタリア代表はいずれも難敵だが、今のイングランド代表の充実度はこの2カ国を凌駕しているか。いよいよスリーライオンズのEURO初制覇は手に届くところまで来たと言っていい。
「イングランドは決勝に進み、そこでも勝つことができると思う。彼らは優勝するために必要なすべての要素を持っているよ。何か特別なことが起こらない限り、イングランドには幸せな未来が待っているだろう。とにかく、起用できる選手の選択肢が多いのと、どの選手が出てもクオリティが落ちないのがすごいね。特に良いのはライスとフィリップスだね。ランパードとジェラードのようなタイプではないが、ピッチ中央における集中力が凄まじい。あの防衛線を突破するのは、どんな国でも難しいと思うよ。そして彼らは堅実だ。ビッグトーナメントを勝ち上がるために最も必要なものが、今のイングランドにはある」(英『talkSPORT』より)

かつてプレミアリーグでもプレイしたパオロ・ディ・カーニオ氏も、EURO2020で優勝に最も近いのはイングランド代表だと主張。同氏はイタリア人だが、それでも今大会のスリーライオンズは一味違うと感じている様子だ。

決して順調な歩みとはいえなかった大会序盤を経て、徐々に本来の実力を発揮し始めたイングランド代表。はたして、彼らは今大会で悲願のEURO初制覇を成し遂げることができるのか。フットボールの祖国が夢見た歓喜の瞬間は着実に近づいている。

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