未だにチリにはビダル、ウルグアイにはスアレス “南米第2集団”の力は落ちたか

ウルグアイ代表も世代交代は進んでいない photo/Getty Images

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世代交代が進んでいない

南米勢はいつの時代もワールドカップを盛り上げてきたが、その勢いに陰りが見え始めているのではないか。気になるのは、ブラジル代表とアルゼンチン代表を追いかける南米第2集団だ。

ここでいう第2集団とは、2010年のワールドカップ・南アフリカ大会でベスト4に入ったウルグアイ代表、2014年と2018年のワールドカップで日本代表とも対戦したコロンビア代表、2015年と2016年のコパ・アメリカを制したチリ代表のことだ。

この3チームは2010年代のサッカー界を盛り上げてきたが、共通していることがある。ほとんど世代交代が進んでいないのだ。
ウルグアイ代表は未だに2010年のワールドカップを戦っていたFWルイス・スアレス、FWエディンソン・カバーニ、DFディエゴ・ゴディンといった選手たちがスタメンに入っており、大幅な世代交代は進んでいない。レアル・マドリードでプレイする22歳MFフェデリコ・バルベルデ、ユヴェントスの24歳MFロドリゴ・ベンタンクールなど中盤には実力者がいるものの、前線はスアレスとカバーニがいなければ始まらない。この世代が偉大すぎたということもでき、2人に匹敵するストライカーは簡単には出てこないだろう。

コロンビアは準決勝でアルゼンチンに敗北 photo/Getty Images

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ヤングスターが出てこなければ厳しい

コロンビアはMFハメス・ロドリゲスが世代の中心だったが、ハメスはクラブの方で満足なシーズンを過ごせていない。年齢も29歳を迎え、このままでは来年のワールドカップ・カタール大会がメジャートーナメントに参戦する最後のチャンスとなるかもしれない。

チームの方は今も33歳のMFファン・クアドラード、32歳のGKダビド・オスピナといったところが中心で、欧州5大リーグで結果を残す若手が少ない。前線ではアタランタの30歳コンビであるドゥバン・サパタ、ルイス・ムリエルがいるが、さすがにラダメル・ファルカオ級の存在とは言い難い。コロンビアはベスト8まで進んだ2014年のワールドカップ・ブラジル大会がピークで、そこから世代交代が進んでいない印象だ。

チリ代表も新しい説明は不要なチーム構成で、中心はFWアレクシス・サンチェス、MFアルトゥーロ・ビダル、DFガリー・メデル、マウリシオ・イスラ、GKクラウディオ・ブラボといった2010年代を盛り上げてきたお馴染みのベテラン勢で固められている。

現在行われているコパ・アメリカ2021ではベスト8でブラジルに敗れたが、このゲームに先発した20代の選手はDFフランシスコ・シエルラルタ、セバスティアン・ベガス(ともに24歳)、MFエリック・プルガル(27歳)の3名のみ。残りは全員30代だ。

ベテラン中心でも悪くはないが、それを追い越そうとする若手が出てきていないのは気がかりだ。チリの方も欧州5大リーグで活躍している者が少なく、サンチェスやビダル世代を上回る気配がない。チリにとってもこの世代は特別だったのだろう。

親善試合や招待されたコパ・アメリカを含めれば、日本は2010年代にこの3チームと対戦している。その際は南米を代表するタレント軍団として恐怖感があったが、今となってはその恐怖感も薄れつつあるのではないか。

彼ら第2集団はどこか2010年代を引っ張った偉大すぎるベテランたちに依存しているところがあり、世代交代に失敗すれば競争力を失ってしまうかもしれない。

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