才能はハーランド、ムバッペ級なのに? ラッシュフォードの出番はどこへ消えた

イングランドのスターになると考えられていたラッシュフォード photo/Getty Images

代表での立場が危うい

現在のイングランド代表攻撃陣でスタメンが確約されているのはハリー・ケイン、ラヒーム・スターリングの2人で、攻撃的MFはメイソン・マウントやフィル・フォーデン、ウイングの位置ではブカヨ・サカ、ジェイドン・サンチョ、ジャック・グリーリッシュが一つの枠を巡って争っている格好だ。

そんな中、この議論で名前が出てこない者がいる。マンチェスター・ユナイテッド所属のFWマーカス・ラッシュフォードだ。

23歳のラッシュフォードはかなり早熟な選手で、5年前のEURO2016も経験している。本来であれば今大会は主役の1人として迎えたいところだったが、ここまでスタメン出場はゼロ。すべて途中出場で、プレイタイムは82分に留まっている。

ラッシュフォードはウイング、センターフォワードの両方をこなせるが、ウイングはライバルが多すぎる。サンチョ、サカ、グリーリッシュ、スターリングがおり、ラッシュフォードは完全に蚊帳の外だ。代表監督ガレス・サウスゲイトは流れを変えたい場面でグリーリッシュを投入することが多く、ラッシュフォードが選択肢に入ってこない。

センターフォワードではケインのバックアッパーとなるが、そもそもサウスゲイトがセンターフォワードとしてラッシュフォードを計算しているかは微妙なところ。より純粋なセンターフォワードとしてエヴァートンFWドミニク・カルバート・ルーウィンも控えており、ケインに次ぐ2番手の座すら安泰ではない。

ラッシュフォードも才能は確かで、イタリアの有名女性レポーターであるディレッタ・レオッタさんは決勝のイタリアVSイングランドを前に英『The Sun』にて、ラッシュフォードを次のように評している。

「ラッシュフォードのようなタレントがスタメンに入っていないことは驚きね。彼はハーランド、ムバッペと並び、欧州でもトップレベルのストライカーの1人だと思う。技術、スピード、パワー、創造性がある。サウスゲイトがイタリア戦でも彼をベンチに置いてくれるといいけど」

若手ストライカーのカテゴリーでは、確かにラッシュフォードはレオッタさんの言葉通りハーランドやムバッペと並んで議論されるべき選手なのかもしれない。しかし、マンUにて少々伸び悩んでいるのも事実。

その間にイングランドでは続々と優秀な若手アタッカーが登場し、ラッシュフォードの序列は落ちてしまった。このままでは今後の代表メンバー入りすら危うく、マンUで結果を残していくしかない。チームはEURO2020で決勝まで駒を進めたが、ラッシュフォード本人は危機感を覚えたのではないだろうか。

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