ナーゲルスマン体制でも絶対的存在か バイエルンを導く“百戦錬磨のリンクマン”

来季も引き続きバイエルン攻撃陣の中心となることが予想されるミュラー photo/Getty Images

バイエルンに欠かせぬ31歳

昨季限りで退任したハンジ・フリックに代わり、2021-22シーズンからは新進気鋭の若手指揮官であるユリアン・ナーゲルスマン監督が指揮を執るバイエルン・ミュンヘン。ドイツ国内では無類の強さを誇る絶対王者だが、彼らは変化の時期を迎えることになる。そのなかで、この青年監督はバイエルンをどのように変えていくのか。注目している人は多いだろう。

最大の注目が集まるのはセンターバックだ。昨季まで鉄板のコンビだったジェローム・ボアテングとダビド・アラバが退団した関係上、このポジションで新たにコンビを組むのはニクラス・ズーレと新加入のダヨ・ウパメカノが有力。“ナーゲルスマン流”が如実に表れるであろうポジションとして、どのような変化を見せるのかは今から楽しみだ。

しかし、その一方では“変わらない部分”にも注目したい。守備陣に大幅な主力の入れ替えが予想される反面、攻撃陣の軸はフリック体制でも中心となった選手たちだろう。なかでも、キーマンとして挙げたいのはMFトーマス・ミュラーだ。

変幻自在のパスや最前線のサポートに回りながら、これまでバイエルン攻撃陣の潤滑油として大いに機能してきたミュラー。最前線と中盤を繋ぐリンクマンはナーゲルスマン監督が相当に重要視している可能性も高いだけに、依然としてトップレベルのクオリティを見せつける彼の存在感は来季も大きいか。ライプツィヒ時代にはエミール・フォルスベリやクリストファー・エンクンクといった優秀な人材がいるなか、それでもディナモ・ザグレブからダニ・オルモを補強したナーゲルスマン監督。この役割をこなす選手へのこだわりは強いはずだ。その点、1.5列目の選手としてブンデス最高級と言えるミュラーは、青年監督の新天地における成功のカギを握っていると言っていいかもしれない。

「トーマスは非常に野心的で、勝者のメンタリティを持った選手だ。プレイのクオリティも申し分なく素晴らしいね。特にスペースを見つけ出す感覚は卓越しているよ。相手にとっては常に対戦するのが難しいプレイヤーだ。実際、私もそう感じていたしね。彼を起用しないなどという選択肢はないよ。ハンジのチームを見ていて、チームの核となる部分にはある程度の経験を持った選手が必要だとわかった。ミュラーをはじめとした選手には期待しかないね」(ブンデスリーガ公式サイトより)

ナーゲルスマン監督自身も、ミュラーのような百戦錬磨の名手には大きな期待をかけているとこのように語っている。指揮官が交代しても重宝され続けるバイエルンの経験豊富なリンクマン。はたして、来季のミュラーは“ナーゲルスマン流”に染まる新チームのなかでも継続して圧倒的な存在感を放つことができるか。31歳のハイパフォーマンスには、2021-22シーズンも期待したい。

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