人材は豊富なのだ サウスゲイトはイングランドをあと1年でどう変化させる?

サウスゲイトの手腕に期待したい photo/Getty Images

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期待したいスリーライオンズの今後

充実した人材を扱いきれなかったことが今回の敗因か。EURO2020で準優勝に終わったイングランド代表にはこういった批判が多く寄せられている。実際に的を射た批判であると言える。

特に前線は人材が豊富であり、多くのパターンを試して欲しかった。しかし、[4-2-3-1]の基本形である前線の4枚はほぼハリー・ケイン、ラヒーム・スターリング、メイソン・マウントで固定されており、余った右サイドにはブカヨ・サカかジェイドン・サンチョの2択と選択肢が少ないように感じられた。ジャック・グリーリッシュが短い時間で輝きを放ったように、今後は多くのパターンを試してほしい。

攻撃時の組み立てもパターンに乏しかった。今大会のイングランドは相手を押し込むことが多く、ボールを保持した状態で攻撃を始めることが多かったが、その時の相手を崩す手段としては「個でのドリブル突破」「ケインが適宜下りて空けたスペースに別の選手が飛び込む」この2点だけだった。それで決勝まで進んだから良いのかもしれないが、ケインを潰されたイタリア戦では防戦一方だった。イタリア戦では、結局それを改善できずに負けたともいうことができ、次のワールドカップ・カタール大会までには新しい攻撃の形を作るのは至上命題だろう。

とはいえ、4バックとダブルボランチはほぼ完ぺきな仕上がりであったスリーライオンズ。デクラン・ライスに関してはまだ22歳と若く、両サイドバックにもベン・チルウェルとリース・ジェイムズといった若い選手たちが控えている。

前線をどう組み合わせて、最大火力を出せる配置にするか。非常に取り組みがいのある課題であるだけに、今後もサウスゲイトの起用には注目が集まる。

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