もう五輪のサッカーは盛り上がらないのか ロナウジーニョ、リケルメ級のスターは来ない

2008年の北京五輪ではロナウジーニョが登場 photo/Getty Images

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数年前は豪華な時もあったが……

東京五輪の開幕が近づいているが、サッカーの盛り上がりは如何ほどのものだろうか。

日本は開催国となるため、当然盛り上がっている。オーバーエイジ枠ではDF吉田麻也、酒井宏樹、MF遠藤航とA代表でも主力の3人を揃え、若手もベストと思えるメンバーを選んでいる。十分にメダルを狙える陣容だ。

では世界の盛り上がりはどうだろうか。伊『Gazzetta dello Sport』が嘆いているのは、数名のスター選手が東京に来なかったことだ。
最も揉めたのはU-24フランス代表で、当初はレンヌMFエドゥアルド・カマヴィンガ、アーセナルDFウィリアム・サリバ、ニースFWアミーヌ・グイリら一部の主力が招集されていたものの、クラブ側の拒否もあって招集メンバーは大きく変わってしまった。ベストメンバーを揃えれば優勝候補の一角だったはずだが、現状ではモチベーション的にもフランスを優勝候補に挙げるのは難しいかもしれない。

フランスのカマヴィンガを東京で見たかった photo/Getty Images

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東京五輪はスター少なく

U-24ドイツ代表も辞退者が出ており、18名しか揃わない状態で日本へ来る。FWマックス・クルーゼ、MFマキシミリアン・アーノルドなど実力者はいるが、こちらも優勝候補に推す声は多くない。

21世紀に入ってからの五輪を振り返ると、豪華だったのは2008年の北京五輪か。当時はアルゼンチン代表に30歳だったMFファン・ロマン・リケルメがオーバーエイジで加わり、24歳のMFハビエル・マスチェラーノもオーバーエイジで参戦。若手ではFWリオネル・メッシ、エセキエル・ラベッシ、セルヒオ・アグエロ、MFアンヘル・ディ・マリアら恐ろしい面子が揃っていた。

ブラジル代表も28歳だったFWロナウジーニョをオーバーエイジで招集し、24歳だったDFチアゴ・シウバもオーバーエイジ枠で入っている。他にもDFマルセロ、MFアンデルソンなどビッグクラブでプレイしている選手が入っており、ネームバリューはなかなかのものだ。

オランダ代表では33歳だったFWロイ・マカーイが参戦しており、MFロイストン・ドレンテ、FWライアン・バベル、DFウルビー・エマヌエルソンら実力者もメンバーに入っている。

アルゼンチンは2004年大会も豪華で、オーバーエイジではDFロベルト・アジャラ、ガブリエウ・エインセ、MFキリ・ゴンザレスを招集。他にもFWハビエル・サビオラ、カルロス・テベス、DFニコラス・ブルディッソなどヤングスターが招集されていた。

2000年大会ではカメルーン代表が29歳のFWパトリック・エムボマを招集し、そこに19歳のFWサミュエル・エトーが加わるなど各国のオーバーエイジも豪華だった。そこから考えると、徐々に五輪のサッカー競技は尻すぼみとなっているのかもしれない。

今大会もエジプト代表でリヴァプールFWモハメド・サラー、ブラジル代表にパリ・サンジェルマンFWネイマール、フランス代表にFWキリアン・ムバッペが加わるようなシナリオを期待してしまったが、いずれも実現はしなかった。

同メディアは「東京五輪に参加するビッグプレイヤーはほとんどいない」と切り捨てており、豪華メンバーを揃えてくれたのはスペインとブラジルくらいだ。モチベーションと選手層的にはこの2か国とホストの日本代表がメダルを争う構図となるのではないか。

欧州サッカーはますます過密日程となり、クラブが五輪に選手を送り出すのが難しくなってきているのは事実だろう。東京五輪も想定していたフルメンバーから考えると、少し地味になってしまったか。

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