“173億円”の補強をしても心配は尽きない マンUが克服すべき課題とは

一瞬の爆発力は魅力的だが、その一方では一貫性のなさも見えた昨季のマンU photo/Getty Images

サンチョ&ヴァラン獲得でも不安な点が

今夏ドルトムントからFWジェイドン・サンチョを獲得し、レアル・マドリードのDFラファエル・ヴァランとも移籍に関する基本合意に至ったマンチェスター・ユナイテッド。移籍金は2人合わせて1億1400万ポンド(173億円)にものぼるとされる強気の補強。2012-13シーズンにプレミアリーグを制して以降は長く低迷の時期が続いた赤い悪魔だが、来季はいよいよ優勝を争うポジションに戻ってくるかもしれない。

しかし、期待が膨らむ一方では少し心配な面も残る。サンチョとヴァランの加入で間違いなくチーム力は強化されるはずのマンUだが、新シーズンに彼らの問題点となりそうなのは一貫性の部分だ。一瞬の爆発力はあっても、それをシーズン通して継続できるかは微妙。これは以前からも各方面から指摘されていたことで、上位勢相手に白星を挙げる試合が増えてきた一方では格下相手の取りこぼしも少なくない。

こうした部分を改善するには、チーム全体の意識の底上げが重要か。いくら優秀な戦力を補強したからといって、継続した強さというものは簡単に得られるものでもない。「一戦一戦の積み重ね〜」とはよく言うが、今のマンUに足りないのはまさにそういったメンタリティか。元イングランド代表MFジョン・バーンズ氏も、マンUが優勝争いできるかはこの一貫性の部分が重要になってくると次のように語る。

「調和性、一貫性、そしてバランスは近年のユナイテッドが失っていたものだ。彼らは強いチームとはうまく戦えるのに、そのパフォーマンスを継続して発揮することはできていなかった。いくら優秀なプレイヤーをチームに引き入れても、それはまた問題になると思うよ。残念だが、オーレには批判が集まるかもね。これを解決できるかどうかが、ユナイテッドの運命を左右すると私は思う」(ブックメイカー『BonusCodeBets』より)

はたして、マンUは2021-22シーズンにこれまで露呈していた弱点を克服することができるのか。開幕前に充実のスカッドを整えたシーズンとなるだけに、もったいない戦い方だけはしてほしくないところだが……。

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