5年目にしてようやく戦力と数えられるか レスター戦で見せたメンディのパフォーマンス

レスター戦で持っているポテンシャルの片鱗は見られたか photo/Getty Images

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彼のダイナミックさは他の選手に無いものだ

膠着状態から一転、いきなりケレチ・イヘアナチョがPKを獲得し、終盤にリードを奪ってレスター・シティの勝利となった今季のコミュニティー・シールド。マンチェスター・シティとしては主導権を握っていただけに、この失点は痛恨のミスとなってしまった。この日、当たっていた守護神ザック・ステッフェンも止められず、今季初のタイトル獲得はお預けとなった。

それでも、収穫の多い試合であったことは間違いない。サミュエル・エドジー、コール・パーマーらの若手の起用、昨季からあったフェラン・トーレスのセンターフォワードでの起用や新しいビルドアップの形が見られ、指揮官であるジョゼップ・グアルディオラの試行錯誤の一部が見られた。

特にチーム全体で収穫といえば、左サイドバックで先発を果たしたバンジャマン・メンディのパフォーマンスか。2017年にモナコから加入するも、移籍金約70億円の価値をみせられずにいたが、今季は一味違うかもしれない。

フル出場を果たしたレスター戦だが、攻守において目立ったミスがなかった。パスの精度に関しても年々上がっているように見られ、特に彼のクロスは非常に魅力的だ。また、足首が強いのか無理な体勢から高精度のクロスを供給するなど、ライバルとなるオレクサンドル・ジンチェンコにない彼の良さをレスター戦では存分に披露していた。これに高さのあるハリー・ケインを獲得できれば、メンディをピッチに送り出す理由も増えるだろう。

また、加入当初に行っていた偽サイドバックの動きを再び取り入れ始めているようだ。以前までは大外に張ることが多く、ウイングバックでの起用もあったが、それはメンディ起用を前提とした戦術であり、普段マンCが用いる形とは違う。しかし、ジンチェンコ、ジョアン・カンセロ、カイル・ウォーカーとサイドバックが行っている偽サイドバックの動きをマスターすれば、重要な試合でも彼を投入できる可能性は広がることになる。

更に新しいビルドアップにもメンディは対応しており、27歳となった今季だが、レスター戦のパフォーマンスは今後に期待できる内容であったことは間違いない。それでも、スポルティングのヌーノ・メンデスやベンフィカのアレハンドロ・グリマルドといった左サイドバックの選手をクラブが狙っていることは間違いなく、メンディは継続して高いパフォーマンスを披露する必要がありそうだ。

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