[MIXゾーン]エースの負傷で主導権が相手に 川崎の選手たちはピッチ内で何を考えていたのか
試合後のインタビューに応じる主将・谷口 photo/スクリーンショット
「そんなに怖くはなかった」
川崎フロンターレは9日、明治安田生命J1リーグ第23節で大分トリニータと対戦し、2-0の勝利を収めた。この結果、開幕戦からの無敗記録を「23」まで伸ばし、首位を独走している。
リーグ戦の中断明けということに加えてアウェイでの戦いと、難しい状況ではあったが、立ち上がりから試合の主導権を握った川崎。10分にFWレアンドロ・ダミアンが先制ゴールを奪い、その後も押せ押せムードが漂う。しかし、27分にダミアンが負傷し、交代を余儀なくされると、徐々にペースが落ちていき、後半の頭には大分にボールを握られる展開に。ただ、最後のところは相手にやらせず、しっかり無失点を続ける。そして、75分の3枚交代を機にペースを奪い返すと、途中出場したFW遠野大弥が直後の77分に勝利を手繰り寄せる2点目のゴールを決めたのだ。
前半の終盤から後半の中盤にかけて、思うような試合運びができず、やや苦しい展開にも見えた川崎だが、ピッチでプレイしていた選手たちは、この状況をどのように感じていたのか。DF谷口彰悟とDF登里享平が試合後、大分戦を振り返りつつ心境を明かしてくれた。
◯谷口 彰悟
「やっぱり再開初戦はものすごく大事だなと。そこらへんの意思統一というか、何がなんでも勝つよというところは、しっかり合わせることができたと思います。久々の試合でしたけど、久々にしては本当に良い入りができたし、良い試合がができたなという気持ちではあります。しっかり勝つことができたので、結果には満足しています」
「前半の終わりごろ、(相手にボールを)握られるシーンがちょっと多かった。そこは自分たちが奪ってからまたすぐに回収されたりしてしまった。ひとりひとりが受けようとするんですけど、そこは相手も狙っているところ。そこらへんの逆を突くとか、スペースのあるほうに持っていくとか、その判断がイマイチ合っていなかった。前半の最後のほうは修正しないといけないなと思っています」
「後半も大分が握る時間が多かったですけど、僕らもやっていないわけではないです。相手が何を狙っているのかっていうところや、こっちとしては一番やられてはいけないところ何なのかだったりは、ある程度整理できていました。なので、どちらかというとそんなに怖くはなかったというのが正直なところです。そこらへんは、リードしていたので相手の出方を見つつという感じでした」
◯登里享平
「5週間、怒涛の日々を過ごす中で、けっこう緊張感のあった5週間で、そこから多少リフレッシュできました。ただ、試合がすぐにあると考えたら、意外にサッカーのことを考えたりもしていました。それで久しぶりの試合というところで、けっこう自分も緊張はありました。やっぱり勝つことが大事です。昨年もこのスタジアムで負けていますし、そういったのをやっぱり払拭して、強くなっていくところも大事です。今までもそうですけど、ジンクスだったりを崩して、Jリーグを引っ張るという気持ちでやってこれたので、こういう難しい試合をモノにできたことで、すごく自信になります」
「理想は引き込みながらも、カウンターで追加点を取るのが良い試合運びですけど、なかなか奪い取っても繋げない時間帯が続きました。正直、主導権を握れていなかった時間帯もあったと思います。ただ、しっかりと守備を整えて我慢するところ。ACLの試合でもありましたけど、相手に持たれながらでも隙を与えない。そういう試合運びをしながらそういう頭に切り替えて、選手全員でコミュニケーションをとりながらできたかなと思います」
どうやらピッチ内の選手たちは、大分にボールを握られる展開に変わって決して慌てることなく、落ち着いて対応できていたようだ。そして、要所要所をしっかり抑えることで、相手の怖さもあまり感じなかったという。さすが王者・川崎といったところか。