シュートゼロでも問題なし? 31ゴール男が見せたゴール以外での貢献

ゴールは奪えなかったが、大きな存在感を見せたトニー photo/Getty Images

気が利くタイプの選手だ

プレミアリーグ初昇格を果たしたブレントフォード。昨今のプレミアではリーズやウルブズといった昇格組が結果を出しており、同じ立場であるブレントフォードにも期待が寄せられている。そんなブレントフォードは14日に開幕戦となるアーセナルと対戦。結果は、セルジ・カノスのゴールで先制したブレントフォードが終盤にダメ押しの2点目を奪い、2-0で白星を挙げた。

昇格組でありながらも、後方からの繋ぎやハイプレスと攻守で明確なプランが用意されており、この勝利は単なるジャイアントキリングではないように感じられた。終盤はスタミナ切れからアーセナルの攻撃にゴールを脅かされる展開を作られるも、何とかダメ押し弾を叩き込み、プレミア初勝利を挙げた。

そんなブレントフォードの攻撃をけん引したのはFWイヴァン・トニーだ。25歳のトニーは昨季実質2部であるチャンピオンシップで31ゴール挙げた点取り屋で、今季もプレミアでどこまで得点を量産できるのか期待が掛かっていた。

強豪アーセナル相手に彼のゴールが見られると思っていたファンも多いと思うが、開幕戦でのトニーのシュートはゼロ。データだけで見れば拍子抜けであるが、彼の貢献度の高さは万能性にあると言える。

[3-5-2]の2トップで先発起用となったトニー。前線での相方となったブライアン・ムベウモはスピードを武器とした選手で、彼の抜け出しからのシュートは多く見られた。得点は奪えなかったものの、アーセナルの守備を脅かした人物の一人だ。トニーの役割は自身がつぶれ役となり、ムベウモにいい形でボールを繋ぐことだった。

ブレントフォードがロングカウンターを行うときはロングフィードを主体としているが、ポストプレイを行うのがトニーの役割だ。彼のこの試合での空中戦の勝利数は7回となっており、要所でトニーの強さが見られた。また、セカンドトップとしてスルーパスを供給することに長けており、前述したムベウモがポストを叩いたシーンでラストパスを送ったのはトニーだ。

また、前線から貢献度の高い守備でチームをサポートするなど、良さを見せており、得点はなかったものの、この試合で評価を上げた選手であることは間違いないだろう。

このように白星に貢献したトニー。イングランド国内では非常に珍しいプレイスタイルをしており、昨季のように得点を量産すれば、代表入りもそう遠くはないか(データは『WhoScored.Com』より)。

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