復活を目指す“天才”が市場を彷徨う 去就不透明なのはもったいない

ユヴェントスとのジョアン・ガンペール杯では出番がなかったコウチーニョ photo/Getty Images

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背番号「14」はマナイのもとに

ここ5年間で2度のリーガ・エスパニューラ優勝に、ブンデスリーガ優勝、2019-20シーズンには欧州制覇も経験。これだけのタイトルを手にしてきた天才が、移籍市場を彷徨っている。

新シーズンのプレイ先が不透明なまま開幕を迎えてしまったのが、バルセロナに所属するブラジル代表MFフィリペ・コウチーニョだ。2018年1月にリヴァプールからバルセロナへ移籍した同選手は、加入1年半で公式戦76試合に出場して20ゴール12アシストと結果を残し、チームのリーグ連覇に貢献。しかし、プレイの波も激しく、なかなか能力が発揮できない試合も多々あり、高額な移籍金や給与に見合っていないとして、ファンの批判にさらされることもしばしばあった。

その結果、2019-20シーズンはバイエルンへのレンタル移籍を決断したコウチーニョ。自身初のドイツ挑戦でも公式戦38試合に出場して11ゴール9アシストを記録した。そして、主要タイトルの3冠も達成した。しかし、やはりバルセロナが設定している高額な契約解除金がネックだったのか、契約内容に組み込まれていた買取オプションは最後まで行使されず、1年でバルセロナへ復帰。昨季はバルセロナでの再起を図ったが、怪我に悩まされて後半戦は丸々棒に降っている。公式戦14試合の出場(3ゴール2アシスト)にとどまっていた。
そんなコウチーニョは先日、7ヶ月ぶりに復帰。新シーズンの復活を目指す中、今月9日に行われたユヴェントス戦(ジョアン・ガンペール杯)でベンチ入りを果たしていたが、同じく去就に注目が集まるMFミラレム・ピャニッチとともに出番は訪れず。バルセロナが財政難に陥っていることもあり、現在は放出候補の筆頭とされ、15日に行われた今季開幕戦は招集外だった。

また、この開幕戦で、コウチーニョが昨季身につけていた「14」は、アルバニア代表FWレイ・マナイが身につけていた。リオネル・メッシが抜けたことで空き番号となった「10」を背負う可能性も噂されており、否定はできないが、コウチーニョの今夏の退団は決定的か。もしくは、現在は戦力外とみなされているが、移籍が実現しなかった場合は高額な年俸を払っていることもあり、ロナルド・クーマン監督は再び戦力に加えるのか。そういったところにも注目が集まる。

そんなコウチーニョには、セリエAのラツィオが興味を示しており、レンタル移籍のオファーを提示したとの報道もあった。しかし、やはり金銭面がネックなのか、イタリア復帰話はなかなか進展していない模様。ただ、ここきにきて新たな噂も。バルセロナがアーセナルに所属するガボン代表FWピエール・オバメヤンを獲得するための交渉材料として、コウチーニョを使うといった報道もある。

いずれにせよ、これだけの選手がプレイ先が不透明なまま開幕を迎え、バルセロナで干された状態ままシーズンを送る可能性があるのは非常にもったいないように思う。29歳という年齢を考えてもまだまだやれるはずで、欧州4大リーグ全てでプレイしてきた経験も貴重。できるだけ早くプレイ先を決定し、昨季の分までピッチで輝きを放ってもらいたいものだが、はたして。

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