流動的なサッカーはサイドバックが重要 マリノスを支える和田の“サッカーIQ”の高さ

左サイドから違いを生みだす和田 photo/Getty Images

左サイドからの崩しは非常にキレイだ

王者川崎フロンターレを猛追している横浜F・マリノス。清水エスパルスと引き分けに終わり、連勝記録が途絶えたが、名古屋グランパス、大分トリニータに連勝し再び調子を取り戻した。

チームが好調の中でシーズン中に監督交代のアクシデントに見舞われながらも、ここまで上位を維持しているマリノス。大分戦でも5得点の快勝となっており、攻撃力の高さを見せつけた。その中でも徐々に出場機会を伸ばしているDF和田拓也からは目が離せない。

2019年からマリノスに所属している和田。中盤に加え、両サイドバックをこなせるユーティリティ性を持っており、ここ最近は左サイドバックとしてピッチに立っている。

彼の良さは止めて蹴るの精度に加え、何度もポジションを修正する賢さだ。流動的なサッカーを展開しているマリノスではサイドバックには外で張るだけでなく、中央でボランチのように振舞うなど様々なタスクを任されるが、和田はどれも高いレベルでこなすことができる。また、ポジションの修正力が高く、動き続けることで前線にスペースを作り出し、より攻撃的な前田大然やマルコス・ジュニオールの手助けを行っている。

こういったサイドバックでありながらより攻撃的な能力に長けている選手は守備が疎かになりがちだが、和田は守備での対人性能も高い。データサイト『Sofa Score』によれば大分戦では7回のタックルに成功しており、守備者としても高い能力を持っている。また、90分走り切れるスタミナも兼ね備えており、マリノスに欠かせない人材となっている。左サイドバックはタイ代表のティーラトンとポジションを争うが、彼にも負けない能力の高さを有している。

前線だけでなくサイドバックにも優秀な人材を揃えているマリノス。流動的なサッカーを展開しているチームはマリノス以外にもいるが、ここまで試合中に修正を加え、より良い状態へと持っていけるチームは少ない。首位川崎とは6ポイント差だが、このまま好調を続ければ、逆転優勝の可能性は低くないだろう。

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