ベルギーで確固たる地位を築く森岡亮太 ボランチで新境地を見出した彼の良さとは

ボランチとしてポジションを掴んでいる森岡亮太 photo/Getty Images

動じない冷静さを持つ

今夏の移籍市場で川崎フロンターレから三笘薫が、サガン鳥栖から林大地がベルギーリーグへの移籍を果たした。どちらも若く有望な選手であり、今後の活躍に期待したい。

そんな多くの日本人選手が活躍するベルギーリーグだが、シャルルロワに所属しているMF森岡亮太は現地で確固たる地位を築いている。

2016年にヴィッセル神戸からポーランドリーグのシロンスク・ヴロツワフへ移籍した森岡。これが彼の初の海外挑戦となり、その後ベルギーリーグのチームを転々とし、2019年からシャルルロワに在籍している。

シャルルロワでは本職であったトップ下ではなく、ダブルボランチで起用されており、昨季は28試合に出場。2ゴール7アシストを記録している。

プレイスタイルはいわゆるトップ下タイプだったが、近年は後方から組み立てを行うゲームメイカーで、攻撃時はそこまで高い位置を取らず、各ポジションの選手たちにボールを配球している。一つ飛ばしたミドルパスの精度が良く、視野の広さも伝わってくる。止めて蹴るの精度が高く、ミドルサードでボールを失わず、攻撃のスイッチを入れられるのが彼の良さか。

また、ボールロスト時のネガティブトランジションが速く、正確なタックルでボールを奪うことができる。データサイト『WhoScored.com』によれば、先日行われた三好康児が所属するアントワープとのリーグ戦では7回のボール奪取成功に、2回のインターセプトを記録するなど、ボールの回収屋としての姿も見せていた。

試合を通して一つ一つのプレイで森岡の冷静さが見て取れ、攻守で安定感を生み出している。ここまでリーグ戦は4試合行われているが、全試合でフル出場を果たしており、チームの主軸であることが分かる。

そんな森岡の代表招集は2018年のハリルホジッチ政権までさかのぼることになる。代表でのボランチ争いは熾烈となっており、シュツットガルトの遠藤航、サンタ・クララの守田英正、ロストフの橋本拳人、デュッセルドルフの田中碧と実力者が揃っているが、森岡もこの4人の中に割って入れる人材であることは間違いないだろう。

9月2日にはワールドカップ・カタール大会のアジア最終予選が行われ、メンバー発表があるはずだ。これまでの傾向から森岡が選出されればサプライズとなるが、中盤にさらなる競争力を生むためにも、森岡の代表復帰に期待したい。

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