ごぼう抜きドリブルでエスパルスの救世主に 19歳鈴木唯人が示した“攻守の万能性”

湘南戦で驚異のドリブルを披露した鈴木唯人(写真は3月14日の鳥栖戦)photo/Getty Images

守備のタスクも怠らず

21日に行われた明治安田生命J1リーグの第25節で、湘南ベルマーレと対戦した清水エスパルス。30分にベルマーレのFWウェリントンのヘディングシュートを浴び、1点のビハインドを負ったものの、45分に19歳のMF鈴木唯人が、敵陣でドリブルを開始。DF杉岡大暉やMF田中聡をはじめとするベルマーレの選手をごぼう抜きにすると、ペナルティエリア内でループシュートを放ち、同点ゴールを決めた。同リーグ14位のエスパルスと、J2リーグ降格圏の17位に沈むベルマーレによるJ1残留争いの直接対決は、1-1のタイスコアで幕引きとなっている。

殊勲の同点ゴールを挙げた鈴木のパフォーマンスは、攻守両面において際立っていた。[4-4-2]の布陣の左サイドハーフで起用された同選手は、相手の2ボランチの手前や両脇、及び相手最終ラインと中盤の間で積極的にボールを受け、エスパルスのパスワークを下支え。61分には敵陣ペナルティエリア中央へ侵入し、右サイドバックの原輝綺のクロスに反応して惜しいシュートを放つなど、サイドハーフでありながら、サイドのレーンに張ってドリブルを仕掛けるだけではないプレイの多彩さを見せつけた。

また、相手ボール時にはベルマーレのセンターバックの石原広教と右ウイングバックの古林将太のパスコースを塞ぎ、ビルドアップを妨害。ボールが相手に渡った際の守備への切り替えも素早く、幾度となく自陣へプレスバックし、左サイドバックの片山瑛一をサポートしていた。

この試合で鈴木が記録したスプリント数は、両軍の選手中2番目に多い21回(Jリーグ公式サイトより)。加えてデータサイト『SofaScore』の統計では、両軍の選手中トップの地上デュエル勝利数(6回)を叩き出しており、これらのスタッツからも、同選手の攻守両面における高い献身性が窺える。昨年のリーグ戦でウイングバックを経験するなど、ポリバレント性も高い同選手の更なる成長に期待したいところだ。

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