ユーヴェ、“希望の光”はディバラか 不安が残る開幕戦も10番に大爆発の予感

開幕戦で早速存在感を示した10番のディバラ photo/Getty Images

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違いを見せつけ1G1A

再任したマッシミリアーノ・アッレグリ監督のもとで今季、王座奪還を目指すユヴェントス。開幕戦ではウディネーゼを相手に2点リードするも、守りきれずに勝ち点「1」ずつを分け合った。シーズンは始まったばかりで、前回の就任時から見てもわかるとおり、アッレグリ体制ではスロースターターになりがちではある。ただ、インテルやアタランタ、ローマといったライバルたちが開幕戦で軒並み白星を手にしていることもあり、今後にやや不安が残る開幕戦となってしまったかもしれない。

しかし、そんな中でも光を放って見せたのがアルゼンチン代表FWパウロ・ディバラだ。昨季の不振から脱却を目指すこの10番は、開幕スタメンを見事に勝ち取ると、ユヴェントス加入以降で最も結果を出している“お得意様”(8ゴール6アシスト)を相手にすぐさま期待に応えてみせる。キックオフからわずか2分3秒、ロドリゴ・ベンタンクールの右からの折り返しを左足のアウトサイドで華麗に合わせ、チームに先制点をもたらした。データサイト『opta』によると、3ポイント制になって以降、ユヴェントスのセリエA開幕戦としては、クラブ史上最速のゴールだという。

バイタルエリアでボールを受けてつなぎ役になったり、ときには中盤の底の位置まで下りてビルドアップに参加したり、その後もさまざまなところに顔を出して攻撃の起点となっていたディバラ。23分には相手DFの裏へ走るフアン・クアドラードにロングボールを通し、追加点を演出して見せた。視野の広さやキックの精度はさすがだ。前半ATにも、自陣PA手前のスペースまで下りていき、ベンタンクールとのコンビネーションで相手の守備ブロックを突破するシーンがあった。
後半は相手ペースになったこともあり、やや存在感が薄れることもあった。ただ、後半ATに背後からくる難しいロングボールを難なく胸トラップし、マイナスへ切り返してしっかり枠内へ飛ばしたシュートなどを見ても、プレシーズンから引き続き調子の良さがうかがえる。この試合で見せた身体のキレや一つ一つクオリティの高さは、今季の10番の復活、そして大爆発を予感させるものだったのではないか。

後味の悪いドロー発進となってしまったが、王座奪還へ向けてディバラはユヴェントスの希望の光だ。復活を遂げた10番が、クラブに再び栄光をもたらすかもしれない。

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