[MIXゾーン]支配率が勝敗に直結しないことの証明 レイソルが見せた“したたかさ”

柏にようやくネルシーニョのチームらしい“したたかさ”が見えてきた photo/Getty Images

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徳島戦のボール支配率はわずか31%

2000年代後半から2010年代前半にバルセロナのポゼッションスタイルが脚光を浴びて以降、サッカー界でより注目されるようになったのがボール支配率というスタッツだ。しかし、この数字だけでどちらが優位に試合を運んだかわからないのもフットボールの面白いところ。どれだけボールを保持しようとも、試合に勝つにはゴールを奪わなければならない。

そんなことを感じさせるゲームになったのが、25日に行われた明治安田生命J1リーグ第26節・徳島ヴォルティス対柏レイソルの試合だろう。この試合、敵地に乗り込んだ柏が記録したボール支配率はわずか31%(データサイト『SofaScore』より)。だが、結果的に彼らは多くの時間でゲームをコントロールし、1-0での勝利を手にしている。

その大きなカギとなったのが、柏が持っていた意識だろう。この試合の多くの時間でボールを握っていたのは徳島だが、それに対するアウェイチームの対応には“したたかさ”が垣間見えた。相手がある程度最終ラインや大外のレーンでパスを回してくるのは問題ないといった様子で、柏の面々は中央を封鎖。ボールの取りどころをしっかり決めて、無理な守備をしないことを徹底しているように見受けられた。その結果として支配率こそ下がることとなったものの、柏は多くの時間でゲームをコントロールすることに成功。いわゆる徳島にボールを“持たせた”状態で、アウェイチームは試合を進めた。
「僕たちが[5-3-2]で守っている外側でパスを回して来るぶんには、相手にあまり怖さは感じませんでした。僕たちはとにかく、相手のボランチがボールに触らないように守備をしてました」(瀬川祐輔)

「今日は前節よりもちょっとだけラインを高くして試合に入りました。そのなかでは少しミスマッチも起こっていましたけど、しっかり一人ひとりが誰につくかというのはハッキリしていました。ですので、相手に後ろで回されるのは気になりませんでしたし、ボールが中に入ってきたときの対応ができたのかなと思います」(川口尚紀)

試合後、柏の選手たちもこの徳島戦におけるチームの守備についてはこのように語っている。こうして相手にボールを持たれても地に足をつけて戦えるのは、第24節で川崎フロンターレを完封したことからくる自信も大きいのだろうか。いずれにせよ、ネルシーニョ流の“したたかさ”が見えてきた柏。シーズン序盤戦は不調に喘いだものの、このタイミングで勝負強いレイソルが戻ってきた印象は強い。

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