[MIXゾーン]川崎に初黒星をつけたのは福岡 “大金星”の陰にあった綿密なゲームプラン

試合後のインタビューに応じる宮大樹 photo/スクリーンショット

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狙い通りの試合運び

アビスパ福岡は25日、明治安田生命J1リーグ第26節で首位を走る川崎フロンターレと対戦した。

ホームでの戦いではあったが、前半は相手に押し込まれる展開が多く、苦しい時間帯が続いた福岡。しかし、守護神の村上昌謙を中心になんとか前半を無失点で耐え抜くと、後半から徐々にギアを上げていき、ボールを奪う回数も増えていく。そして62分の3枚替えで一気に流れを手繰り寄せると、66分に右サイドのタッチライン際でこぼれ球を拾ったジョルディ・クルークスがドリブルでカットインし、ペナルティエリア右手前から強烈なミドルシュートを叩き込んだ。

先制に成功した福岡はその後、DFラインを4バックから5バックへ変更し、逃げ切りをはかる。しかし、ただ単に引くのではなく、前から積極的に圧力をかけ、アグレッシブな守備を披露。この1点をしっかり守り切り、川崎に今季初黒星をつけたのだ。
前半は全員の粘り強い守備で我慢し、後半に入ってから交代カードなどをうまく使いながら仕掛ける。そして、先制点を奪ったらDFの枚数を増やし、最後までしっかり守り切る。この試合で福岡が川崎相手に見せたゲームプランだが、どうやらこれは試合前から綿密に練られたものだったという。試合後、長谷部茂利監督や選手たちが川崎戦について、次にように振り返ってくれた。

◯長谷部監督
「前半はいつ失点をしてもおかしくないような場面がありましたが、そこは粘り強く、GKを中心によく守ってくれました。それが後半の流れが少し良くなるような自分たちの戦いに、持っていくことができた要因かなと思います。得点に関しては非常に良かったと思います。つい最近も見ましたが、本当に鋭いシュートだと思います。また期待したいと思います」

「データも含めて、自分たちの戦い方も含めて、狙いを持っていました。交代も含めて、あの時間帯に得点が取れたらなということで、選手たちとも話しました。このゲームだけではなくて、フルパワーで、100%で守備をすること、100%で攻撃をすること、切り替えのところも含めて、攻守に渡って自分たちのスタイルを前面に出せたのではないかなと思います」

「誰もが、今日はアビスパ福岡が負けるというふうに思っていたと思います。少ないかもしれませんが、私たちを信じて応援してくれたスタンドの方々、DAZNで応援してくれた方々、みなさんの期待に応えることができました。今日のようなサプライズというか、みなさんに喜びを届けることがわれわれの使命です。本当に今日は良かったと思います。またあとにつながるというか、今シーズンの最後まで今日の勝利はつながっていくと思います」

◯宮大樹
「まず戦術のところでは、川崎さんはすごく止める、蹴るといった基礎技術が高いチームなので、そこに対して組織でしっかりと守ろうという話をして試合に入りました。今日の試合のメンバーに関して、見て貰えばわかると思うんですけど、普段試合に出ていないメンバーが出ていたということもあり、全員気合いが入っていたと思います。その気持ちを前面に押し出せたことが結果につながったと思います」

「試合前の段階で、長谷部監督から大体のゲームプランはいつも伝えられていて、本当にその通りのゲームの進み具合になりました。(ゲームプランが)頭に入っていたので、非常に動きやすかったです。5バックにするというところも、自分自身『勝っていたら5バックにする』ということが頭に入っていたので、焦りとか迷いがなくできました。それが大きかったかなと思います」

もちろん、ゲームプラン通りに進めることは簡単なことではない。ただ、福岡はこの重要な一戦へ向けてしっかりとゲームプランを練り、自分たちらしさを発揮することで、今季無敗だった王者に土をつけ、大金星を手にすることに成功した。

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