新たに加わったのは前線で“戦えるFW” アトレティコが進める堅実補強

U-24ブラジル代表の一員として東京五輪にも参戦したクーニャ photo/Getty Images

デ・パウルに続いてまた的確な補強

バルセロナからパリ・サンジェルマンへと向かったFWリオネル・メッシの取引を筆頭に、ド派手な補強が相次いでいる印象の強い今夏における欧州移籍市場。しかし、そんななかで少し地味ながらも着実に実力者を補強しているのが、昨季リーガ・エスパニョーラを制したアトレティコ・マドリードだ。

なかでも、補強の目玉となったのはウディネーゼから獲得したMFロドリゴ・デ・パウル(27)だろう。優れたテクニックで中盤に違いをもたらしつつ、守備でも献身的な働きを見せる同選手。前所属がイタリアの中堅クラブとあってそれほど注目度は高くなかったものの、アトレティコは非常に良い買い物をしたと言っていい。ビッグネームではないが、セリエA屈指の技巧派MFは確実にスカッドの質を高めるはずだ。

そんなアトレティコがここにきて、またしても非常に目の付けどころの良い補強を敢行している。現地時間25日、同クラブはブンデスリーガのヘルタ・ベルリンからFWマテウス・クーニャ(22)の獲得を発表。U-24ブラジル代表の一員として、東京五輪における金メダル獲得の原動力となった若手アタッカーの確保に成功したのだ。

クーニャはセンターフォワードを主戦場とするアタッカーで、昨季はヘルタで公式28試合に出場し8ゴール7アシストをマーク。理想としているのはロナウジーニョとのことで、リズミカルかつトリッキーなスタイルは確かにカナリア軍団のレジェンドを彷彿とさせるものがある。アトレティコで彼がどれほどの攻撃性能を発揮するかは、今から非常に楽しみと言えるだろう。

だが、アトレティコがクーニャを獲得するにあたって決め手となったのは、そういった攻撃面以外にもあるのかもしれない。実は同選手、昨季ブンデスでプレイしたFWの中ではトップクラスの守備スタッツも残しているのだ。データサイト『SofaScore』によると、2020-21シーズンのクーニャはブンデス全体で3位となる190回の地上戦勝利数や、リーグFW中2位となる36回のタックル成功数を記録している。テクニカルなオン・ザ・ボールでの動きもさることながら、彼は自身がボールを保持していないときの献身性にも目を見張るものがある。

こうした守備面での貢献は、アトレティコで活躍するにあたって必要不可欠な要素。まさにリーガ王者にとっては理想的な選手と言えるが、はたして今後のクーニャは新天地でどこまでその存在感を高めてくるか。アトレティコが新たに迎え入れた若きアタッカーのプレイは要注目だ。

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