約150億円の価値が本当にあったのか? イングランド代表MFの加入でマンCが得たメリットとは

既にチームの中心選手となっているグリーリッシュ photo/Getty Images

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ホームグロウン制度も考えれば適正額か

移籍市場閉幕まであと少しとなったが、マンチェスター・シティが補強したのはジャック・グリーリッシュのみだ。ハリー・ケインの獲得に動いていたものの、移籍金の相違で合意とはならなかった。指揮官であるジョゼップ・グアルディオラは9番を任されているフェラン・トーレスを称賛しており、今夏でのストライカー獲得は無いと明言している。

念願のストライカー獲得とはならなかったマンCだが、グリーリッシュを獲得せずにケインにターゲットを絞ればよかったのではとの声も聞こえてくる。確かにグリーリッシュに払った約150億円の移籍金をケイン獲得に当てれば、獲得の可能性は高まったはずだ。

しかし、グリーリッシュに任せることのできるインサイドハーフではベルナルド・シウバの退団も噂されており、同タイプでなくとも中盤を任せられる選手を獲得した理由も分かる。また、偽9番時のインサイドハーフはイルカイ・ギュンドアン、シウバで固定されていたが、そこにグリーリッシュが加わったことでパターンが増え、攻撃力アップにつながる。

更に本職である左サイドでは既にピッチに立っているが、ドリブルでの推進力が高く、先日行われたアーセナル戦では左から何度もボックス内に進入し、好機を演出している。どうしてもボールを持った際に相手のブロックの外を回すことが多かったマンCだが、ドリブル一つで崩せる力を持っているグリーリッシュの加入は大きい。これは不幸中の幸いではあるが、現在フィル・フォーデンとケビン・デ・ブライネが怪我で離脱しており、中盤のチャンスメイカーが人員不足となっている。もし、グリーリッシュの加入が無ければシウバにその役割を一任することになり、負担が大きくなってしまっていたことが予想できる。

このようにグリーリッシュの加入で戦術の幅が広がっていることが分かる。ケインが来ていればまた話は変わっていたかもしれないが、イングランド代表MFがチームに加わったことでプレミア王者がまた一つ強くなったことが間違いないだろう。

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