ペップ就任以降続いた大型補強はもう見られない? 十分すぎるスカッドと成熟したアカデミー

素晴らしいスカッドを作り上げたジョゼップ・グアルディオラ photo/Getty Images

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来夏はどう動くのか

2008年にUAEの投資グループであるアブダビ・ユナイテッド・グループに買収されたマンチェスターシティ。その後、何度も大型補強を成功させ、昨季はプレミアリーグ制覇、CLでは準優勝と素晴らしい成績を残している。

マンCの移籍市場での活発な動きは毎年のように行われ、直近ではエリアカン・マンガラ、ニコラス・オタメンディ、ジョン・ストーンズ、アイメリック・ラポルト、ルベン・ディアス、ネイサン・アケといった多くのセンターバックと契約しており、一人一人が非常に高額であった。

英『Manchester Evening News』によれば2011年から2020年までの支出が最も多いクラブがマンCだと報じている。前述したセンターバックに限らず、毎年多くの選手と契約しており、この結果も仕方ないか。

この流れは今季も続いており、アストン・ヴィラからジャック・グリーリッシュを獲得したが、移籍金は約150億円と言われている。更にハリー・ケイン獲得にそれ以上の金額を用意しており、今夏も大型補強を画策していたようだ。

しかし、今後は移籍金に大金を投じることは少なくなるのかも知れない。一つの要因としてはスカッドが非常に豪華になっており、補強するポジションが少なくなっている。トップターゲットであるストライカーを除けば、左サイドバックが少し不安と感じる程度だ。それも、現状ではオレクサンドル・ジンチェンコ、ジョアン・カンセロでローテーションしており、アケ、ラポルトのオプションもある。ストライカーに関しても、今季の成績次第だが、ターゲットはアーリング・ハーランドくらいしか見当たらず、彼を獲得できる保証はない。

もう一つはアカデミーから優秀な選手が多く出てきていることだ。トップチームで現在活躍中のフィル・フォーデンのように期待されている選手は多い。リアム・デラップ、コール・パーマー、ジェイムズ・マカティ、ロメオ・ラヴィアが今季はローン移籍せず、トップチームに帯同すると言われている。デラップはストライカー、ラヴィアはアンカーの選手であり、彼らの成長があれば、補強費も抑えられるだろう。

移籍市場では毎年のように大金をつぎ込んできたマンCだが、今後は市場の主役となることは少ないのかもしれない。

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