重要なポジションをなぜ補強しない? 人員不足が目立つマンCのサイドバック事情

左サイドバックを務めるジンチェンコだが、彼も本職ではない photo/Getty Images

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後方のミスが負けに繋がる

今夏の移籍市場ではジャック・グリーリッシュとスコット・カーソンの獲得のみに終わったマンチェスター・シティ。カーソンについては昨季から加入しており、新戦力でいえばグリーリッシュだけだ。他のポジションで言えば、ストライカーと左サイドバックが補強の必要なポジションであったが、動きはなかった。

左サイドバックは以前から噂されていたヌーノ・メンデスの話が最終日に出たが、結局パリ・サンジェルマンへのレンタル移籍となった。買い取りオプションが付いており、完全移籍となれば約52億円の移籍金が発生するという。マンCとしてはこの高額な移籍金を嫌ったと予想できる。

しかし、現状ではバンジャマン・メンディが出場停止となっており、左サイドバックの本職が居ない。オレクサンドル・ジンチェンコは本職みたいなものだが、彼以外で言えばジョアン・カンセロは右サイドバックの選手であり、カイル・ウォーカーが負傷してしまえば、一気にサイドバックが手薄となる。ネイサン・アケもいるものの、彼が左サイドバックを担当したのは加入当初までさかのぼり、直近ではセンターバックで起用されることが多い。このことからもオランダ代表DFをサイドバックの頭数に入れるのは危険だ。また、プレシーズンマッチからコール・パーマーやサミュエル・エドジーといったアカデミーの選手の起用が目立つが前線の選手が多く、サイドバックの選手は起用されていない。そういったことも踏まえると、若手からの抜擢がほぼ可能性としては無いに等しい。

重要ポジションであるサイドバックが手薄となったマンC。攻守への貢献度が大きくキーマンとなるポジションだが、不在となればチームへの影響は非常に大きい。ビルドアップではサイドバックの選手が躓けば、攻撃の厚みがなくなる。守備で貢献できなければ、カウンター時のケアが薄くなってしまう。後方からのミスで何度も痛い目を見ているマンCだが、はたしてジョゼップ・グアルディオラはこの長いシーズンをどう戦うのか。

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