“7200万ポンドの失敗補強”とされた男の逆襲は 再起を図るチェルシーの元・正守護神

ケパは今季を逆襲のシーズンとすることができるか photo/Getty Images

正守護神の座に返り咲けるか

序列低下から約1年の時を経て、チェルシー の控えGKはついに逆襲へと動き出すかもしれない。その控えGKとは、昨季序盤までブルーズの正守護神を務めていたケパ・アリサバラガだ。

2018年夏にGK史上最高額の移籍金(7200万ポンド)でアスレティック・ビルバオからチェルシーへと加入するも、移籍以降はその金額に見合ったパフォーマンスをなかなか披露することができていなかったケパ。彼が正守護神を務めた時期のチェルシーは失点が嵩み、ときには信じられないようなミスも飛び出たのはまだ記憶に新しいところだろう。その低調なパフォーマンスはしばしば現地メディアから痛烈に批判され、エドゥアール・メンディの加入以降は完全に控えの立場へと追いやられることとなってしまった。

しかし、それから1年間を主にベンチで過ごすことによって、ケパは少し落ち着きを取り戻したのか。いまだその立場に変化はないが、今季の彼から感じ取れる雰囲気はこれまでと一味違う。プレミアリーグ開幕前に行われたビジャレアルとのUEFAスーパーカップで出場機会を得た際には、3本のPKをストップする活躍を披露してチームの勝利に貢献。1年前までは「出場すれば何か良からぬことが起きる」(英『Daily Mail』)とまで言われたものの、この守護神は着実にそのレベルを戻してきているのか。

そう考えるならば、トーマス・トゥヘル監督は一度どこかでケパにチャンスを与えるのもアリだろう。普段試合に出場しているメンディへの献身的なサポートも目立つだけに、彼が報われてほしいとの気持ちを持っているファンも少なくないはずだ。

「誰でも、自分がプレイしたいと願っているよ。どんな選手でも、可能であれば土曜日か日曜日にスタメンとして選ばれたいんだ。特にGKはね。フィールドプレイヤーはまだ途中出場の可能性も残されているが、僕らはスタメンを外れるとまず試合に絡めない。だから、スタメンに選ばれなかった日は難しいね。その役割は引き受けるけれど、やっぱり辛い部分もあるよ」(スペイン『MARCAより)

そんななか、自身の置かれる境遇に関してはケパもこのように述べている。いつでも正守護神に返り咲く気は満々のスペイン人GK。はたして今後、彼に定位置再奪取の機会は訪れるか。おそらく、ビッグチャンスとなるのはメンディがアフリカ・ネイションズカップ参戦でチームを離れる来冬あたりだろうが、今季ケパの逆襲が実現するかには注目したい。

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