「サラーやマネのようになれる」と言われた男の現在地 ポルトガルで燻る21歳

昨季後半戦はリオ・アヴェにレンタルされたカマーチョ photo/Getty Images

立ちはだかる“ブレイクへの壁”

「サラーやマネのようになれる」。かつて、各方面からそういった期待をかけられていたアタッカーがリヴァプールの下部組織にいたことを覚えているだろうか。レッズを去ったのがたった2年前ということもあり、彼の存在がいまだ記憶に新しい人もいるだろう。その選手とは、FWラファエル・カマーチョだ。

かつてはDFフィルジル・ファン・ダイクをして、「ラファは質が高く、やるべきことを理解している。クオリティがあるだけの選手ならたくさんいるけど、彼はその他大勢に欠如している能力が備わっていると感じる」とまで言わしめる逸材だったカマーチョ。高い身体能力に加えて、スピード感あるドリブルは同世代の水準を十分に超えていたと言っていい。左右のウイングを中心として、状況によっては中央やサイドバックもこなすユーティリティ性も兼備する若者は、間違いなくリヴァプールの未来と呼べる存在だった。

しかし、2019年夏にカマーチョはリヴァプールからスポルティングCPへと完全移籍。本人が移籍を望んでいたとの報道もあったが、未来のエース候補だった男の退団を悲しんだ人も多かったことだろう。そんなリヴァプールから離れてブレイクを目指した男だが、彼はスポルティングで成功を掴むことができるのか。

現時点での歩みはそこまで順調とは言えないだろう。2019-20シーズンこそスポルティングのトップチームで公式戦26試合に出場した同選手だが、加入2年目となった昨季前半戦の出場はゼロ。そんな状況もあり、冬の移籍市場ではリオ・アヴェへとレンタルに出されることとなってしまった。そして、今季はまた別のクラブであるベレネンセスへと貸し出されている。21歳とまだ若くはあるものの、カマーチョは少し苦戦を強いられていると言っていい。

かつてはリヴァプールで大きな期待をかけられていた若者が直面する“ブレイクへの壁”。はたして、カマーチョは今後その壁を乗り越えて、将来的にスターの仲間入りを果たすことができるのか。才能は豊かなだけに、大成長には期待したいところだが。

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