トリニータを救った三竿雄斗のひらめき J1残留に向けて手にした“攻撃オプション”

チームを勢いづける先制ゴールを演出した三竿雄斗(写真は4月3日の川崎フロンターレ戦)photo/Getty Images

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自軍のファーストシュート&先制点を演出

11日に行われた明治安田生命J1リーグの第28節で、湘南ベルマーレに2-0で勝利した大分トリニータ。7試合ぶりの勝ち点3奪取により、同リーグ残留圏内の16位との勝ち点差を“6”に縮めている。

[3-4-2-1]の布陣でこの試合に臨んだトリニータは、[5-3-2]の守備隊形で中央のスペースを消してきたベルマーレに対して攻めあぐね、特に前半は劣勢に。また、ベルマーレが最終ラインからのロングボールを多用したことで、トリニータのプレッシングがいなされる形となり、こぼれ球を拾われては相手の波状攻撃を浴びる展開が続いた。

自陣後方や中盤でのパスワークがままならなかったトリニータを救ったのが、3バックの左で起用された三竿雄斗。32分にセンターサークル付近でボールを受けると、敵陣ペナルティエリアへロングパスを供給。相手DF杉岡大暉のクリアボールが右ウイングバックの小出悠太に渡ると、同選手がペナルティエリア内で左足を振り、先制ゴールを挙げた。
この場面では三竿のロングパスでベルマーレの最終ラインが後退を余儀なくされ、同クラブの3センターバックと中盤が間延び。このスペースに2シャドーの一角の小林成豪や小出が侵入していたのが効果的だった。

この試合最初のシュートを得点に結びつけたトリニータは、[5-4-1]の守備隊形でベルマーレのパスワークを封じると、85分に途中出場のFW伊佐耕平が敵陣でボールを奪い、ダメ押しゴールをゲット。前後半合わせてシュートが3本と、トリニータの攻撃機会は少なかったものの、おとずれた決定機を確実に物にしてみせた(スタッツはデータサイト『SofaScore』より)。

2016年より指揮を執る片野坂知宏監督のもとで、自陣後方からの丁寧なパスワークを磨き上げてきたトリニータだが、この試合で見られた三竿のロングパスは、彼らにとって大きな武器となるかもしれない。ビルドアップがままならない状況でも、三竿がロングパスで相手最終ラインを押し下げ、これによって生まれる敵陣ペナルティエリアやその手前のスペースに前線の選手が走り込むという構図を作れれば、次戦以降も決定機を創出できるだろう。

三竿のひらめきによって生まれた先制ゴールで勢いづき、久しぶりに白星を飾ったトリニータ。新たな攻撃オプションを駆使し、J1リーグ残留を果たせるかに注目だ。



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