乾貴士はセレッソの“カンフル剤”に!? やはり技術や経験は裏切らない

札幌戦でフル出場した乾貴士 photo/Getty Images

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攻撃面だけでなく守備面でも奮闘

セレッソ大阪は11日、明治安田生命J1リーグ第28節でミッドウィークにも相見えていた北海道コンサドーレ札幌をホームへ迎え入れた。前半をスコアレスで折り返したが、後半に2点を奪われ、0-2の敗戦を喫している。

惜しくも今季2度目の3連勝を逃してしまったC大阪だが、この試合で確かな能力を披露して見せたのが、今夏に10年ぶりとなるJリーグ、そしてセレッソ復帰を果たしたMF乾貴士だ。札幌戦でキャプテンマークを巻き、復帰後初スタメンを飾ると、鮮やかなトラップや股抜きドリブルなどで相手を翻弄するシーンが何度も見られた。久しぶりの日本のピッチということに加えて、チームに合流してあまり時間が経っていないなど、選手にとっては難しい状況ではあっただろうが、やはり技術や経験は裏切らない。

試合後に「いまのスタメン組とはほぼ練習をしていない。ほぼ初めてに近い感じ」と明かしていたように、パスが若干ズレたり、相手に引っかかったりするなど連携面はまだまだで、今後の向上は必須。ただ、それでも両チームでダントツとなる7回のスルーパスを記録したのはさすがだ。
また、乾はスペインなどでの経験をもとに、守備面でも存在感を発揮。特に守備に追われた前半は、スプリント回数15回のうち11回が非ボール保持時。この数字から見ても、プレスバックや前線からの追い回しでチームに貢献していたことがわかる。さらに、絶妙なポジショニングでサイドチェンジを簡単にさせず、幅を使う札幌の攻撃をうまく封じていた。

今年6月に33歳の誕生日を迎え、サッカー選手としてはベテランの域に入っている乾。コンディションもまだまた100%ではないだろうが、この試合で両チーム最多のスプリント回数(29回)、チームで2番目の走行距離(10.2km)を記録している。「特別な想いはありました。そういったことで、キャプテンマークを任せてもらいましたし、嬉しかった。ただ、勝てなかったことが一番申し訳ない。悔しい」と札幌戦を振り返っていたが、セレッソサポーター前で久しぶりにプレイすることへの強い想いが感じられたのではないか。

C大阪はここまで28試合を消化して9勝9分10敗の12位と、今季は決して調子は良くない。ただ、年長者ながらピッチでこういった献身的な姿勢を見せる乾の存在は、終盤戦で少しでも上の順位へ行くための良いカンフル剤になるのではないか。今後の活躍にも期待したい。

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