昨季“ブンデス最少失点”の堅守はどこへ ライプツィヒが抱える前線プレスの問題点

いまだライプツィヒにフィットしきれていない印象の強いA・シウバ photo/Getty Images

A・シウバはまだチームにフィットせず

2020-21シーズン、ブンデスリーガを2位でフィニッシュしたRBライプツィヒ。最終的には13ポイント差と離されることになってしまったが、シーズン途中までの同クラブは絶対王者バイエルン・ミュンヘンにあと一歩のところまで迫る勢いを持っていた。「今季はやはりバイエルンが強かったが、来季こそは初優勝に期待」。昨季終了時点で、そのような希望を持っていたファンも少なくはなかっただろう。

しかし、チームをそこまでのレベルに仕上げたユリアン・ナーゲルスマン監督を引き抜かれた2021-22シーズン、ライプツィヒは開幕から苦悩の時間を過ごしている。ここまでリーグ戦5試合を終えての戦績は1勝1分3敗。なんとその順位は13位にまで下降しており、昨季までの姿は見る影もないと言っていいだろう。

そんなライプツィヒで気になるのは失点数の増加だ。昨季リーグ最少失点(32失点)を誇った同クラブだが、2021-22シーズンは5試合ですでに7失点を喫している。1試合平均で比較すると、昨季の0.94点から今季は1.4点にまで上昇しているのだ。その差は実に「0.46」となっている。

はたして、その原因は何か。まず考えられるのは前線からのプレスだ。昨季まではチーム全体が連動して守備を行なっている印象もあったライプツィヒだが、今季彼らの守備にはどこかチグハグ感が否めない。特に気になるのはCFを任されているFWアンドレ・シウバで、彼の敢行するプレスのタイミングやコースが後ろの選手たちと連動していない印象は強い。

A・シウバは新加入選手なだけに、もう少し時間は与えるべきかもしれない。しかし、このまま負けが先行するようであれば、ジェシー・マーシュ監督はどこかでCFのファーストチョイスをFWユスフ・ポウルセンに代える手も考えなければならないだろう。もしくはこの2人を並べる2トップシステムの採用か。純粋な得点力はA・シウバの方が上かもしれないが、ポウルセンはそのほかの部分に関する貢献度が抜群に高い。A・シウバもフランクフルトにフィットするまでには時間がかかったが、今のライプツィヒにそれを待っている余裕もないだろう。

前線の守備が課題となっているライプツィヒだが、はたして彼らは今後この課題をどうクリアしていくのだろうか。大きな期待を背負って移籍してきたA・シウバだが、彼の扱い方に関してはマーシュ監督の手腕に注目したい。

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