中国行きで苦しんだ元イタリアの至宝 モウリーニョの下で復活劇はあるのか  

今年1月にローマ復帰を果たしていたエル・シャーラウィ photo/Getty Images

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今季公式戦5試合に出場して3ゴール

昨季のトップ10のうち8つのクラブが監督交代を行うなど、今季最も読めないリーグとなっているセリエA。その中でも、素晴らしいスタートを見せているのがASローマである。今夏に名将ジョゼ・モウリーニョを招聘すると、今季公式戦で6戦全勝しており、セリエAでは首位に立っている。特に攻撃陣の調子が良く、ここまで19ゴールを記録している。

そして、そんな好調なローマの攻撃陣とともに、欧州で再起を果たそうとしている選手がいる。今年1月に1年半ぶりとなるローマ復帰を果たしたイタリア代表FWステファン・エル・シャーラウィだ。

現在28歳のエル・シャーラウィは、2012-13シーズンにセリエAで16ゴールを記録するなど、ACミラン時代に脚光を浴びた。その後はやや伸び悩んだ時期もあったが、2016年から戦いの舞台を移したローマで徐々に復調すると、3年半で公式戦139試合に出場し、40ゴール26アシストを記録していた。しかし、2019年夏に突如中国行きを決断。サッカー選手としては最も脂が乗っているといっても過言ではない20代半ばのこの時期に、サッカー界の第一線である欧州から離れて、上海申花へ移籍したのだ。当時の彼の決断に驚いたファンも少なくないのではないか。
不慣れな環境やコロナ禍などもあり、中国ではなかなか思うような結果を残せず、かねてより希望していたとされる母国復帰を果たしたエル・シャーラウィ。やや実戦から離れていたこともあってか、昨季後半戦は思うような結果を残せなかった。ただ、今夏のプレシーズンにしっかりトレーニングを積むと、今季は限られた出場時間の中でもしっかり結果を残している。

セリエA第3節のサッスオーロ戦で途中出場ながら後半アディショナルタイムに劇的な決勝弾を決めたり、ヨーロッパカンファレンスリーグ・グループステージ第1節のCSKAソフィア戦で逆転弾を決めたり、ここまで公式戦5試合、時間にして148分間の出場ながら3ゴールを記録しているのだ。サッスオーロ戦とソフィア戦で見せた狙い澄ましたシュートは、ともに決して簡単なものではない。シュートセンスや技術やの高さを改めて示していた。

かつて“イタリアの至宝”とまで期待されたエル・シャーラウィは今季、モウリーニョの下で輝きを放つことができるのか。彼の復活劇は、ローマ飛躍のキーとなるかもしれない。

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