移籍候補からバイエルンに欠かせぬ存在へ 注目したい攻守にダイナミックなDFの成長

まだ改善すべき点が多いが、今季はダイナミックなプレイが光っているズーレ photo/Getty Images

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まだまだ粗削りではあるものの

2021-22シーズン、開幕から消化した公式戦10試合で未だ無敗を継続しているバイエルン・ミュンヘン。ただ無敗というだけでなく、そのなかで同クラブは勝率も驚異の90%(9勝1分)を記録しているというのだから驚きだ。プレシーズンマッチを未勝利のまま開幕を迎えることとなったものの、ユリアン・ナーゲルスマン監督はハンジ・フリック前監督が築き上げたチームをさらなる高みへ引き上げることに成功しつつある。

そんなバイエルンのなかで、今季大きな飛躍を遂げそうな選手がいる。その選手とは、開幕から最終ラインの一角を担っているDFニクラス・ズーレ(26)だ。昨季まではジェローム・ボアテングとダビド・アラバの牙城を崩せず、どこか物足りないイメージもあった同選手。夏のマーケットでは一時他クラブへの放出も噂されたものの、決意新たに迎えた新シーズンに彼はここまで守備陣の主力として奮闘を見せている。

その躍動ぶりは、現地時間19日に行われたチャンピオンズリーグ・グループステージ第2節のディナモ・キエフ戦でも見て取れた。この試合に右サイドバックとして先発出場を果たしたズーレは、試合途中にセンターバックにポジションを変更する少しイレギュラーな起用となったが、そんなこともお構いなしに自分の良さを存分に発揮。果敢に前へ出ていく姿勢でチームの意識を前へ向けることに一役買い、ときにはDFながら相手PA内にも侵入。アグレッシブすぎるあまりに少し危うい場面を作ってしまう場面も散見されたが、その一方では自由にピッチを動き回る彼の姿に胸を躍らせた人も少なくはなかったことだろう。
現時点では少し周りをヒヤヒヤさせる部分もある。しかし、この積極性を失うことなく攻守で完璧にタスクをこなすことができるようになれば、いずれズーレは攻守にスーパーな選手となっていくかもしれない。そのために改善すべきことはまだ多いが、ナーゲルスマン監督もそのリスクを承知のうえで彼に自由を与えている節はある。

何事もチャレンジしなければ、より大きな成功は掴み取れないのが世の常。はたして、ホッフェンハイム時代にも指導を受けた指揮官の下で、今後ズーレはどこまでスケールの大きなDFとなっていくのだろうか。まだ未完成な部分は多々あるが、ナーゲルスマン・バイエルンでのびのびとプレイする26歳のさらなる成長に期待したい。

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