大怪我を乗り越えてブレイクなるか “リヴァプールの未来”と期待された男の現在地

怪我の悲劇を乗り越え、シェフィールド・ユナイテッドでのブレイクを目指すブリュースター photo/Getty Images

今季ついにその才能は開花するか

かつてはリヴァプールの未来を担う逸材とも評価されていた若き才能は、悪夢の大怪我を乗り越えて今季ブレイクを果たすことができるのか。プレミアリーグの舞台こそ離れてしまうこととなったものの、21歳のアタッカーは今季チャンピオンシップで躍動している。

その21歳とは、U-21イングランド代表FWリアン・ブリュースターだ。かつてはリヴァプールの下部組織に所属し、イングランド代表のエースを務めた2017年のU-17ワールドカップでは8ゴールを決めて注目を集めた同選手。イングランドの次世代を担う点取り屋として評価を高め、プレミアリーグでもスターになることは時間の問題であるように思えた。

しかし、2018年1月に行われた下部組織の試合で足首靭帯損傷の大怪我を負うと、そこからブリュースターのキャリアは足踏みを強いられることに。この怪我の影響もあって、翌2018-19シーズンに同選手がプレイできたのはプレミアリーグ2の2試合のみ。2019-20シーズンはスウォンジー・シティにレンタルされてチャンピオンシップで10得点を挙げる活躍を見せたものの、結局リヴァプールのトップチームでは出場機会に恵まれず、2020年夏にはシェフィールド・ユナイテッドへ売却されることとなってしまった。

大きな期待をかけられながらも、ひとつの大怪我でリヴァプールにおける未来を失ってしまった印象の強いブリュースター。しかし、彼の快進撃はここから始まっていくのかもしれない。今季はチャンピオンシップでプレイしているブリュースター。いまだにゴールは決めていないものの、そのスタッツは印象的だ。データサイト『SofaScore』によると、開幕からここまでのリーグ戦出場6試合でブリュースターが記録している地上戦勝率は61.9%(21回中13回勝利)。これは今季5試合以上に出場しているチャンピオンシップのFWの中で2番目に高い数値だ。1試合平均出場時間はいまだ51.83分と短いが、少ないプレイタイムのなかでも同選手はそのクオリティの高さを見せつけている。

一度は大怪我でそのキャリアを棒に振ってしまう可能性もあった若き才能だが、彼の能力は21歳を迎えた今季ついに開花することとなるのだろうか。まだエンジン全開とはいかないものの、リヴァプール産の若手FWはチャンピオンシップで着実にブレイクへのステップを踏み出している。

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