チェルシーで“ヤヤ・トゥレ風”MFが大逆襲 評価回復する身長190cmのテクニシャン

今季チェルシーの中盤で重要な戦力となっているロフタス・チーク photo/Getty Images

開幕前は放出候補だったものの

開幕前は彼のこと“放出候補”と言う人もいた。しかし、崖っぷちの状況から、チェルシーに所属する大型MFは見事に評価を逆転させることに成功しつつある。トーマス・トゥヘル監督の下で、このままMFルベン・ロフタス・チーク(25)は完全に息を吹き返すのか。

かねてより素材は一級品とされながら、アキレス腱断裂の大怪我を負った影響などもあって、これまではなかなかチェルシーでブレイクを果たすことができていなかったロフタス・チーク。昨季もレンタル先のフラムではあまり大きなインパクトを残せず、このまま彼はトップレベルからフェードアウトしていくのだろうと考えた人も少なくなかったはずだ。

だが2021-22シーズン、身長190cmの大型MFはトーマス・トゥヘル監督の手腕によって再生しつつある。まだスタメン出場の機会はそれほど多くないものの、今季は中盤の重要な戦力としてここまで公式戦9試合に出場しているロフタス・チーク。単純にフィジカルを活かしたプレイだけでなく、巧みなテクニックやボールスキルを駆使しながら、現在は中盤で大きな存在感を放っている。本職のインサイドハーフに加えて今季はアンカーとしても機能しており、チームにとっては非常に使い勝手の良い選手になったと言っていい。

「ロフタス・チークは素晴らしい才能の持ち主だ。私は彼の姿をかつてのヤヤ・トゥレに重ねているよ。彼は大きな身体で相手選手にプレッシャーを与えることができる。彼らのような大きい選手が全力疾走したら、DFは思うようにプレイできなくなることがある。CBとしては最大の恐怖だよ。加えて、ロフタス・チークは前線のワイドでも、ディフェンスラインの前でも問題なくプレイできるだろう? こんな選手は滅多にいないよ。本当に素晴らしい」(英『Sky Sports』より)

そんなロフタス・チークに関しては、かつてマンチェスター・ユナイテッドで活躍した元イングランド代表DFリオ・ファーディナンド氏もこのように語っている。ヤヤ・トゥレといえば、圧倒的なフィジカルと攻撃性能を武器にバルセロナやマンチェスター・シティの中盤を支配した男。大きいながらプレイの幅も広いという部分で、確かにロフタス・チークにも共通点はある。

開幕前はチェルシーで放出候補とされながらも、今ではそのプレイぶりがコートジボワールのレジェンドとも比較されるようになったロフタス・チーク。この調子で定位置を奪いにかかりたいところだが、はたして彼の未来はどうなるか。大型MFの逆襲劇はまだ終わらない。

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