C・ロナウド加入ですべて崩れてしまったのか 開幕前に勢いのあったマンUはどこへ

C・ロナウド自身は得点を取っているが、どう評価されるか photo/Getty Images

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結果論ではあるが

開幕前のマンチェスター・ユナイテッドには勢いがあった。移籍市場ではクリスティアーノ・ロナウド、ラファエル・ヴァラン、ジェイドン・サンチョを獲得し、今季こそプレミアのタイトルを獲得できると意気込んだサッカーファンも多いだろう。しかし、実際は格下相手に勝ち点を落とし、ライバルクラブとされるリヴァプールやマンチェスター・シティには大敗を喫するなど、開幕前の勢いは失われてしまった。

ではなぜこうなってしまったのか。やはりC・ロナウド加入がチームを大きく変えてしまったか。

2009年にマンUを退団後、レアル・マドリードやユヴェントスのような各国の強豪でプレイし、今夏の移籍市場で古巣復帰を果たしたロナウド。プレミア再デビュー戦となったニューカッスル戦ではゴールを奪うなど、さすがロナウドだと称賛されていたが、肝心のビッグマッチではゴールを奪えず、ゲームから消えていた。特に対リヴァプール、対シティでは存在感がなく、彼のゴールがあればまた結果は変わったかもしれない。

また、ポルトガル代表FWが入ったことで大きくフォーメーションが変更された。以前までの親しみのあった[4-5-1]から[3-5-2]に変わっており、まさに前線のロナウドを生かす戦術だ。確かにそれで勝った試合もあるが、ジェイドン・サンチョやポール・ポグバのように適正ポジジョンを失ってしまった選手は多い。

更にC・ロナウドの加入でマンUに以前まであった堅守は失われてしまった。今季はレスター戦やリヴァプール戦で大量失点しており、今季の守護神ダビド・デ・ヘアの好調を考えれば後方の失態よりも、前線からの守備が機能していないのが原因だろう。もちろん、前線の守備を整備できないオーレ・グンナー・スールシャール監督にも責任はあるが、前線からの守備が重要視されている現代サッカーでは、ポルトガル代表FWのような選手は扱いが難しくなってしまう。

加入後、プレミアでは4ゴール、CLでは5ゴールと素晴らしい成績を残しているC・ロナウドだが、彼の存在感が悪い意味で大きくなってしまっており、現状では獲得は失敗だったといわざるを得ない。彼をコントロールできる指揮官がいればまた話は変わったかも知れないが、今の赤い悪魔に帰ってくるべきではなかったか。

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