天才と称される手腕なのに《スクデット制覇経験ゼロ》 ナポリで巡ってきた大チャンス

まだ負けがないナポリ photo/Getty Images

ローマでも見事な手腕を見せたが……

インテルの連覇か、それともユヴェントスの逆襲か。そんな見方で始まった今季のセリエAにて大旋風を巻き起こしているのが、ナポリだ。

ここまでナポリはミランと並んで10勝2分の成績を残しており、勝ち点32を確保して首位に立っている。タレントが揃っているとはいえ、ナポリがここまで完璧に近いスタートを切ると予想していたファンは少なかったはずだ。

そのチームを指揮しているのは、セリエAでの監督経験の長いルチアーノ・スパレッティだ。

伊『Gazzetta dello Sport』によれば、同じくセリエAで長く指揮官を務めたズネデク・ゼーマンはスパレッティのことを天才と評する。

スパレッティといえば2005年から2009年まで指揮したローマにて、フランチェスコ・トッティを軸に魅惑のアタッキングフットボールを披露したことでも有名な人物だ。0トップなるローマの戦術は世界にインパクトを与えることになり、スパレッティの作るチームはなかなかに興味深い。

ただ、スパレッティはまだスクデットを1度も獲得できていない。ローマ時代にコッパ・イタリアは制しているが、当時のセリエAはインテルが圧倒的な強さを披露していた時期だ。

ズラタン・イブラヒモビッチ、エルナン・クレスポ、アドリアーノ、エステバン・カンビアッソ、マルコ・マテラッツィ、マイコン、ルイス・フィーゴ、ハビエル・サネッティ、ジュリオ・セーザルなど攻守両面で穴がなく、当時のインテルを止めることはできなかった。

2006-07、2007-08シーズンともにスパレッティ率いるローマは2位でシーズンを終えており、スパレッティにとっては悔しい結果となってしまった。

その後指揮したインテルでもスクデットは獲得できなかったわけだが、今季はチャンスだ。ユヴェントスの牙城は昨季に崩れ、インテルも主力の流出があった。ミランの快進撃は厄介だが、それでも守備の安定感では未だ4失点に抑えているナポリが上と言っていい。

あとはこの勢いを継続できるかどうか。代表マッチウィーク明けの21日にはインテル、ヨーロッパリーグの戦いを挟み、月末にラツィオ、12月よりサッスオーロ、アタランタと難敵との戦いが続く。ここでも勝ち点を稼ぐことができれば、スパレッティにとって悲願のスクデットが見えてくるはずだ。

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