ビルドアップに余裕を持たせる基本的なスキル 日本代表に安定感をもたらした選手の特長とは

守田英正をはじめ田中碧や山根視来は基本的な技術が高く安定したプレイを見せる photo/Getty Images

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彼らの加入で攻守に安定感が生まれた

2022年に予定されているワールドカップ・カタール大会への出場権を賭けて行われているアジア最終予選。日本代表はグループBとなっているが苦戦を強いられており、11日に行われたベトナム戦では何とか勝利を掴んだ。それでも、ベトナム相手に1-0となっており、追加点を掴むのに苦労していた。次節は最終予選初戦で黒星となったオマーンとの再戦であり、リベンジに期待したい。

そんなサムライブルーだが、初戦と比べれば内容は改善されている。初戦のオマーン戦は攻撃を作れず、枠内シュートは相手を下回る4本となっていた。次節中国戦でも勝ちはしたものの内容は微妙であり、変化が見られたのはオーストラリア戦からだ。

この試合では中盤を3枚に変更し、田中碧と守田英正をスタメンに起用した。彼らは豊富なスタミナで各局面をカバーしており、攻守に安定感を生み出している。以前までの代表では柴崎岳が中盤を務めていたが、ボールロストが多く不安定であった。その点、田中、守田のコンビは高いボールコントロール技術を持っており、ロストも少なく安定感は段違いだ。

運動量や選手の配置などオーストラリア戦から変わったことは多いが、単純に田中、守田コンビの止めて蹴る技術は高い。ゲームに関与することの多い中盤の田中と守田を経由するパスが多くなり、日本は余裕を持って攻撃を行えていた。

ベトナム戦でも中盤の崩しは田中と守田が行っている。彼らは正確なパスワークを武器にベトナムのプレスを丁寧に崩し、フィニッシュまで運んでいる。前半の34分のシーンも守田が相手を剥がして前を向いたことで一気に加速力が生まれていた。また、この試合では同じくボールコントロール技術の高い山根視来がスタメンに名を連ねており、右サイドから攻撃を活性化させていた。

ボールコントロール技術が高ければボールを失うことは少なく、余裕を持って攻めることができ、効果的に相手ゴールを脅かすことができる。オーストラリア戦から相手を崩すことが増えたのはまさに、田中や守田が攻撃に余裕を持たせていたからだろう。

止めて蹴る技術の高い選手が台頭し、攻撃に余裕が生まれた日本代表。逆に南野拓実や浅野拓磨といった選手はこういった技術が低く、代表では継続して輝くことができない。今回初スタメンとなった山根も止めて蹴る技術が高く、今後はこういった選手が代表に呼ばれるようになるだろう。

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